奈良県橿原市は、近鉄大阪線の八木駅を中心にした歴史ある町です。この橿原市の観光スポットとしては、何といっても、神武天皇に纏わるスポットがまず挙げられます。具体的には、神武天皇陵と神武天皇を祭神として祀る橿原神宮があります。また、藤原宮址もこの地域がかつて栄えた名残を伝えるスポットです。
さらに、江戸時代の豪商屋敷が今も多数残っている今井町の外せない観光スポットです。この記事では、最も見るべきスポットとして橿原神宮と今井町の町並みについて紹介したいと思います。
神武天皇を祀る橿原神宮
写真:Gooブログ
神武天皇は古事記や日本書紀によれば、日向の国を出発し、瀬戸内海を東に進み、難波に上陸したものの、その地の豪族に阻また事で南下して熊野に向かいます。そこで出会った3本足の不思議な鳥である八咫烏に導かれ、吉野の山々を越えて大和の地に入り、大和地方を平定し、紀元前660年に橿原宮で即位して初代天皇になられたとされています。
史実か否かは別にして、こうした記紀に記載されている日本国家の起源に纏わる重要な地が、現在の奈良県橿原市なのです。
写真:日本神話
この神武天皇を祀る橿原神宮は、畝傍山東南に16万坪と言う広大な敷地を有し、今も多くの参拝客が訪れる神社です。現在の橿原神宮は、明治23年に京都御所の賢所を本殿として、神武天皇が即位された橿原宮祉に創建されたものです。深い緑に覆われた神域に素木造りの壮大な社殿があり、そこに神武天皇と、その皇后がお祀りされています。
広大な神域内には、木の橋が掛けられた深田池があり、そこからの畝傍山の景色は、まさに絶景と言えます。また橿原神宮の神域には、深い森と合わせて、四季折々につつじ、藤、水連、花菖蒲、紅葉、そして山茶花と言った季節の花々も咲き、これも訪れた参拝客を癒してくれます。
本殿に参拝し、森林遊苑を散策し、霊気に満ちた森林とその中心にある芝生の広場からの畝傍山の眺望を楽しむのもお勧めです。
町並み保存地区の今井町
写真:トラベルjp
八木駅から近鉄橿原線で1駅の八木西口から徒歩10分足らずの所に、今井町と言う町並み保存地区があります。この今井町には、東西約600m、南北約310mの広い地域に、全建物数約1500棟弱が建ち並び、その中で約500棟が伝統的建造物となっている日本でも非常に貴重な地域となっています。
江戸時代のままの町並みの雰囲気が残され、重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けています。また個別の住宅としては、国の重要文化財として9軒、県指定文化財として3軒が指定を受けています。さらに、新たに建築や修復される住宅も、町並み全体の雰囲気を損なわぬように規制され、電線も地中に埋設されています。
写真:橿原市
この今井町は、江戸時代には豪商が活躍し、大阪の堺と同様に自治権を与えられ、大いに繁栄し「大和の金は今井に七分」といわれるほどの町だったのです。その面影が個別の住宅や町全体の雰囲気として現在にも残されているのです。
もちろん観光客も訪れ、古い町家が一般公開されていたり、無料休憩所として活用されたり、ボランティアの案内の方が居たりしますが、この町並みの価値の割りにはまだまだ知られておらず、平日などには観光客はまばらな状況です。ゆっくりと江戸時代の町並みの風情に浸りつつ散策するには絶好の穴場的スポットと言えます。
まとめ
写真:コトバンク
以上の様に、奈良県橿原市には、古代の歴史が偲ばれる広大な敷地を持つ橿原神宮、江戸時代の町並みが残る今井町と、歴史を辿る観光スポットが豊富にあります。
今井町は、近鉄橿原線の八木西口、橿原神宮は橿原線の終点の橿原神宮駅から徒歩圏内にあり、この代表的な観光スポットを1日で巡る事も十分可能です。
耳成山、畝傍山、香具山の大和三山に囲まれた自然豊かな奈良県橿原市は、歴史好きなら一度は訪れるべき町と言えるでしょう。