「僕は鬼滅が大好きなんだけど、周りから“お前は売国奴なのか?”と言われました。歴史的な問題を考えると、このアニメがちょっとアレなのは分かりますが、それでも人の好みにあんな言葉をぶつけるなんて聞き捨てなりません。この前、『無限列車』の新PVを見たんですが、とにかくスゲー!」
日本で記録的な大ヒットとなった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。韓国で代表的なネットにあるQ＆Aサイト「ネイバー知識iN」にも、『鬼滅の刃』についての悩み相談が掲載されていたのです。
まだ若い学生が書いたものと推定されるこの書き込みには、いくつかのコメントが付けられていましたが…。
《鬼滅は右翼アニメでもないし、あなたは売国奴ではありません》
《売国奴だ、売国奴だと騒ぐ人こそ、本当の売国奴です》
《どうぞお好きにしてください。自分が不買するのは自由ですが、それを人に強要するのは病です》
等など、賛同する声がある一方では、以下のように 相談者を厳しく批判する意見も書き込まれていました。
《そのアニメは右翼アニメで、不買運動もまだ終わっていません。あなたは十分に“売国奴”でしょう 》
《 お前は旭日旗が描かれた耳飾りを見ながら 何も考えないのか⁉ 》
“旭日旗”の耳飾りデザインも変更⁉それでも広がり始めたファン層…
アニメ『鬼滅の刃』は 日本では社会現象となっているようですが、韓国では、上で紹介したような「ネット上での右翼論争」が各地で“勃発”しているようです。
『鬼滅の刃』を“右翼マンガ”とする韓国の人々が口にする理由は、主に3つ。1つ目は、主人公の炭治郎の耳飾りのデザインが「旭日旗」に似ているという点だ。2つ目は、作品で描かれている大正時代が、韓国にとっては日本により植民地支配されていた時期と重なること。3つ目は、出演している声優や原作者ら制作陣が過去に右翼的な発言をしたとする意見。
韓国で放映されたアニメシリーズや12月に公開予定の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』では、炭治郎の耳飾りの赤い太陽から下に線が伸びていたデザインが、太陽の下に横線をいれるデザインとなり、旭日旗のイメージから離れるように工夫されたのはそんな批判を受けてのことのようです。
悪化の一途を辿っている日韓関係、いまだ継続中の日本製品に対する不買運動の存在が、韓国でこのような「右翼論争」が起こった背景にはあるといえます。しかし、そのようなネット上での論争とは裏腹に、アニメファンを中心に『鬼滅』人気は日増しに韓国でも高まっているのも事実なのです。
現在、韓国語版の漫画単行本は20巻まで刊行。先日は、『鬼滅の刃』の公式ファンブックが出版され、発売してまもなく初版が完売。その売れ行きは出版界でも話題となったという。
「ファンブックは普通、かなりコアなファンでなければ買いませんが、『鬼滅』のファンブックは刊行から1カ月も経たないうちに初版が完売しました。ファンブックと同時に発売された『1-20巻セット限定版』は、なんと1日で完版。異例の人気だと話題になりました」（韓国の出版業界関係者）
韓国で『鬼滅』の知名度が高まったのは2019年4月、韓国のケーブルテレビでアニメ版の放映が始まったことがきっかけだった。
韓国では、アニメ版は残忍な場面が多いという理由で、19歳以上が視聴可となる「19歳等級判定」を受け、吹き替えではなく字幕で深夜枠に放送された。それでも、そのキャラクター、躍動的なアクションシーンが話題となり、口コミで人気が広がったという。point 244 | 1
日本国内で毎日のように新記録を塗り替えている『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の興行成績は、韓国でもリアルタイムで報じられ、既存のファンだけでなく一般人の間でも期待が高まっている。
「韓国では『君の名は。』（新海誠監督）の観客動員が370万人を超えるなど、日本アニメのファン層が厚い。不買運動の最中だった2019年10月に公開された『天気の子』（同）は反日感情が最も激しい時期だった影響を受けて約71万人の観客動員に終わったが、韓国映画産業において最長連続上映期間（259日）という新記録も達成して、『西便制～風の丘を越えて』の193日の記録を塗り替えた。『鬼滅』もコロナ禍が変数ではあるけど、平常なら当然100万人以上達成できるだろう」と、韓国在住の日本人映画プロデューサーで映画評論家の土田真樹氏は 予測していますが…。その一方で、韓国の映画配給会社の関係者の意見は異なるようです。point 390 | 1
「韓国では独立アニメは人気があるが、テレビアニメの劇場版はあまり興行成績が良くない。韓国で最も幅広いファン層を確保していると言われる『名探偵コナン』さえ、昨年公開された『名探偵コナン 紺青の拳』の観客動員は21万人だった。『コナン』は12歳以上観覧可だったが、『「鬼滅の刃」無限列車編』は15歳以上が有力視される。最終成績は20万人を下回るのではないか…」point 234 | 1
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の韓国での配給を担当しているSMGホールディングスによると、暫定決定された公開日は12月10日。現在、上映等級は審議中であるという。
果たして『鬼滅の刃』人気は日本を越え、韓国映画界でも新たな記録を打ち立てることになるのでしょうか⁉ 上映等級や上映館数など、正確な上映スケジュールが決まる11月末に注目が集まりそうです。
耳飾り変更するくらいならその国では放映しないで⁉ そのまま流せないなら配給やめるべきだと…
今回の報道にも多くのコメントがよせられていましたが…
《 ヒロアカの炎上といい、今回の鬼滅の件といいなんでもかんでも戦争と結びつけるのはいかがなものかと思うけどね。日本は戦争のことを気にしなさすぎといえばそれまでだけど日本の文化を理解してこそアニメを純粋に楽しめると思うのですがね 》
《 作品の中で重要な意味を持つ部分を、配慮配慮と変更しちまうのか。そんなに文句つけるなら見せる必要ないって。作者にも失礼だと思う 》
《 物語の主人公の核だよ。その耳飾り変更するくらいならその国では放映しないで欲しかった。配給会社や集英社は企業だから利益重視でしょうが、ファンの残念度は計り知れないよ。ガッカリ 》
《 そのままにすべきだし、そのまま流せないなら配給やめるべきだと思う。こういう配慮は悪い前例にしかならない 》
等など、やはり 韓国での 耳飾りの変更に対しては 批判殺到しているようでした。