男の子なら誰もが夢中になって変身した仮面ライダー。藤岡弘さん演じた初代を皮切りに「昭和仮面ライダーシリーズ」が始まってから40年以上が経ちました。「平成ライダーシリーズ」からは、オダギリジョーさんはじめ日本を代表する俳優を数多く輩出するなど、若手の登竜門としての機能を担っています。
いぶし銀の顔が揃う昭和ライダーたち
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個性的な顔ぶれに彩られた歴代仮面ライダーの面々。まずは、1971年から放送が始まった昭和のシリーズから見てみましょう。なんといっても「ライダー1号」の藤岡弘さんが残した「本郷猛」のインパクトは強烈でした。「悪と闘う正義の男」という藤岡さんのイメージは、ドラマやバラエティー番組で活躍する今も変わらないままです。続編となった「V3」(1973年)も最高視聴率38%を記録し、宮内洋さんは人気スターとなりました。その後の「スカイライダー」(1979年)の村上弘明さん、「BLACK」(1987年)の倉田てつをさんなどは、今もいぶし銀の輝きを放っています。
平成ライダーはイケメンが続々と登場
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2000年から始まった「平成シリーズ」は、歴代仮面ライダーのなかでも実力派のイケメン俳優たちが次々と登場します。平成第1作の「クウガ」でのオダギリジョーさんを筆頭に、「アギト」(2001年)の要潤さん、「カブト」(2006年)の水嶋ヒロさん、「電王」(2007年)の佐藤健さん、「キバ」(2008年)の瀬戸康史さん、「W」(2009年)の菅田将暉さん、「フォーゼ」の福士蒼太さん(2011年)、「ドライブ」(2014年)の竹内涼真さんなど、今のテレビや映画の第一線で活躍する面々ばかりです。
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ライダーではありませんが、「555」(2003年)の怪物役で綾野剛さんも登場していたことは有名な話です。
俳優の力量を見抜く制作陣の眼力
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なぜ、歴代仮面ライダーからこれほど多くの若手俳優が育ったかといえば、やはり、スタッフの「若手を発掘する目」があったからにほかなりません。その象徴が、当時16歳の菅田将暉さんを「最年少ライダー」として抜擢したことです。「仮面ライダーW」は菅田さんと桐山漣さんの2人で「変身」するという過去に例のないライダーでした。当時の番組のプロデューサーの話では、当初のライダーは桐山さん一人の予定でしたが、菅田さんの素質にほれ込んだスタッフの熱意で「2人ライダー」になったということです。
物語の「質」も向上した平成仮面ライダーシリーズ
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これほど長期にわたってシリーズが続いたのは、歴代仮面ライダーを演じた俳優たちの魅力とともに、物語の質の向上も見逃せません。善と悪を明確にして子供向けに作られた「昭和」とは対照的に、「平成」は悪役も含めた複数のライダーが登場するなど複雑なストーリーで、一緒に見る大人たちも巻き込みました。とくに、イケメンライダーたちが母親を釘付けにしたことは、大きな相乗効果をもたらしたのではないでしょうか。