今月9月10日、名古屋市は、名古屋城本丸御殿(名古屋市中区)の柱2カ所に落書き傷が付けられているのが見つかったと発表しました。柱の木に彫り込まれてしまった名前を完全に修復することは不可能だということで、市は愛知県警中署に被害届を提出する方針だそうです。
市によると、8月24日午後1時ごろ、来館者が本丸御殿内の柱に「りょうじ」(8センチ×2センチ、深さ0・5ミリ)と書かれた傷を見つけ、スタッフに連絡したそうです。すると、さらにスタッフが点検したところ、27日午後6時ごろに別の柱に「カイ(サイ)」(2・5センチ×2センチ、深さ0・5ミリ)と書かれているのが発見されました。
また、いずれも将軍の料理を温め直す「上御膳所(かみごぜんしょ)」と呼ばれる部屋の南側の廊下にある柱だそうです。市は傷が付けられた場所にスチームを当てて木材を膨らませ、目立たなくする方法を検討しているそうですが完全な修復は不可能との事です。
この本丸御殿は徳川家康の命で1615年に建てられ、将軍が京都に上洛(じょうらく)する際の宿館などに使われたもので、1930年に旧国宝に指定されたが、45年の空襲で天守とともに焼失してしまいました。その後、2009年から総事業費約130億円をかけて復元工事を始め、昨年6月に完了して全面公開されました。
ではこの御殿の中にある柱に、「りょうじ」と「カイ」という名前のようにも思えるこの落書きでありますが、一体誰が落書きをした犯人なのでしょうか?カイリョウジという一人の人間であるとも考えることができますし、2人の人物であるとも考えられます。また本人の名前ではなく、誰かの名前を掘った事も考えられますね。
なんといってもこの落書きによって完全に修復するのは不可能であるということでありますので、刑法第260条の建造物損壊罪に適応される可能性があります。犯人は子供なのか大人なのかわかりませんが、ただのいたずらでは済まされることではありませんので、一刻も早く名乗り出てほしいです。