クイズタレント名鑑は、2009年に特別番組として放送され、その後、数回の特別版を経て、2010年にレギュラー番組として放送がスタートし、わずか1年半程度でありながら、強烈なインパクト、笑いなどを残していきました。その後、後継番組や名前だけを変えてタレント名鑑のテイストを残して復活したケースなど様々なところでタレント名鑑らしさが残る状況となっていますが、気になるのはこうした番組の演出に関してです。演出を担当しているのは、放送されているテレビ局のプロデューサーですが、まだ若く、新進気鋭のプロデューサーとして多くの人から期待を寄せられている人物です。
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クイズタレント名鑑の内容としては、インターネットで検索をする場合、芸能人の次に出てくる第二検索ワードが存在し、その第二検索ワードを見て、どの芸能人のことかを当てるゲームが一般的であり、あとは、この芸能人は離婚しているか、していないかを当てるクイズやこの仕事のオファーをその芸能人が引き受けるかどうかというクイズなどがあります。いずれのコーナーにも共通しているのが、悪意を感じさせる演出、そして、それに乗っかる芸人たちの姿です。これらが強烈な笑いにつながるものの、多くの人には受け入れられるものではないため、インパクトだけを残して終わっていったということになります。
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特に第二検索ワードのクイズに関しては、普段のバラエティ番組では言ったら怒られそうな答えがたくさん出てきます。これは誰しもが心の中に秘めておき、プライベートの中では言えるものの、大っぴらにはなかなか言えない様なことをはっきりと、堂々と言ってくれるという部分に大きな笑いが生まれます。もちろん、行き過ぎた演出になることも多く、結果として問題視される部分もありますが、面白さの部分がクレームを超えることから打ち切りなどにはならず、人気の番組になっていきます。タレント名鑑こそ終わりましたが、その演出家が担当した番組は別のところでヒットを飛ばすことになります。
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演出術として魅力なのは、素人に対しても容赦なく突っ込みをいれていく部分です。いじってほしくない部分をいじろうとする姿勢は下手をすればいじめのような感じになりますが、そんなことを気にせず、堂々としている人に対して容赦なくいじっていく姿は面白さすらあります。違和感を与えるような風貌の人に対して容赦なく突っ込みを入れていく姿は見事です。いじめになってもおかしくない演出にもかかわらず、面白いからこそそれが許され、クレームになりにくいというのが構図としてあります。こうしたことがわかっているからこそ、面白い演出ができます。
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その容赦なさは芸人や大物芸能人、タレントにも向けられています。例えば、とある夫婦漫才のコンビに対し、カメラの前でキスをしてほしいという要望を出し、それに激怒され、説教を受ける様子を延々テレビで流しました。そして、何回も無茶な要望をしにいき、その度に怒られていく姿も流すなど、下手をすれば、その人たちのイメージを落としかねない演出に、それを見ていた芸人たちが爆笑していくのが印象的です。オファーを引き受けるかどうかというクイズでは、なぜそれを引き受けないのかという理由も紹介され、それに芸人が突っ込みをいれていくのも特徴です。
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タレント名鑑の演出術はほかの番組にも波及し、素人いじりをしたり、同じようなことをやったりしていますが、結局は真似事であるため、番組によっては不快感しか与えないような内容となっています。その点、パイオニアは違い、絶妙なバランスの中で番組を作り、放送をしています。今後も何らかの形での復活が期待されています。