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結局プロレスには台本がある?ブックに関するプロレス業界の見解まとめ


写真:number.bunshun.jp

かつてゴールデンタイムで放映され国民的格闘技として親しまれたプロレス、当時程ではないものの今なお根強い人気を誇っています。しかし「技を受け合うなんて、やらせでしょ?」「台本で勝敗が決まってるんでしょ?」なんて思われがちです。今回はプロレスの台本事情はどうなっているのか掘り下げてみようと思います。

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写真:toyokeizai.net

◼︎プロレスの本場アメリカでは台本の存在が公言されている!?

プロレスの本場と言えばアメリカの団体WWEです。WWEではプロレスのショー的側面を前面に押し出しており、各レスラーに魅力的なキャラクター付けがされ分かり易いストーリー展開で親しみのあるショーとして年代や性別を問わず絶大な人気を誇っています。そしてなんとこの世界的団体であるWWEでは台本(ブック)の存在を団体が公言しているのです。経営陣と選手が興行について打ち合わせを行う様子はWWEのドキュメンタリー映画でも見る事が出来ます。WWEはあえて台本の存在を公に認めている大きな理由としては「スポーツよりショービジネスとして登記した方が税金が安くあがる」「株式上場に際して台本の存在を不明瞭にしたままでは問題となる」などとしています。本場である団体が存在を公言している以上、他の国の団体でも台本の存在が勘繰られてしまうのも仕方の無い事なのかも知れません。point 472 | 1

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写真:number.bunshun.jp

◼︎日本のプロレスにおける台本の有無に関わる証言

日本では台本の存在を公に認めている団体は存在しません。日本のプロレス界で初めて台本の存在が示唆されたのはなんと法廷でした。大仁田厚が渡辺幸正との試合終了後に乱闘を起こし渡辺が負傷し、この事件についての裁判で「事前の打ち合わせ無しに相手を攻撃する事は許されていない」という判例が示されたのです。また、かつて国内最大手のメジャー団体新日本プロレスでレフェリーを務めた経験のある作家ミスター高橋は自著で台本の存在を暴露している他、元週刊プロレス編集長のターザン山本も自著で台本の存在を公にしています。かつてWWEでも活躍したレスラーのマット・モーガンは海外でのインタビューで新日本プロレス参戦時の試合に関し「決め技に関して打ち合わせはあったが、それ以外は自由に試合をさせてくれるいい団体だ」と述べました。日本のプロレスにおける台本の存在はまだまだ確証に足る証言が無く、仮に存在したとしても海外程ガチガチに試合内容が固められたものでは無いようです。point 514 | 1

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写真:withnews.jp

◼︎プロレスの魅力は「ショー」として選手の強さを見る事

プロレスには選手同士が相手の技を「受ける」という文化があります。普通、格闘技であれば相手の攻撃を避けて自分の攻撃を命中させるというのがセオリーです。しかしプロレスでは相手の技を受けきる事の出来る肉体の屈強さがひとつの「強さ」として認められ、相手の技を引き立たせる事が素晴らしいプロレスラーの条件として挙げられます。そういう意味で、台本の有無はプロレスを鑑賞するにあたってさして問題にはならないのではないでしょうか。point 298 | 1

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写真:withnews.jp

例えばガチンコの格闘技で台本が組まれていた場合、負けブックが組まれた選手の攻撃は何とも弱々しく、勝ちブックの選手は一方的に有効打を打ち込めるでしょう。そして試合は緊張感に欠けたつまらないものになります。プロレスはこうした格闘技と違い、相手が全力でかける技を全身全霊で受け止める文化があるのです。鍛え抜かれた肉体がぶつかり合い技の応酬で熱い闘いを演じる、例え台本が組まれていてもそこで繰り広げられる試合は「本物」なのです。
少なくとも日本の団体は台本の存在を公言していません。あるかどうか分からないものに気を取られるよりも、今目の前で起きている魂のぶつかり合いに刮目してプロレスを楽しみたいものです。point 362 | 1

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