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iPS論文データねつ造の京大助教、「見栄えを良くしたかった」


京大でiPS論文データねつ造

22日、京都府にある京都大学は、京大iPS細胞研究所の山水康平(やまみずこうへい)特定拠点助教(36)が発表した論文に、データのねつ造、改ざんがあったと発表しました。

この論文はヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)に関するもので、昨年2月に発表されています。

捏造と改ざんは、論文を構成する図や補足図に計17カ所で見つかっています。

論文の主張に沿うよう有利にデータが操作されていたといいます。

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京都大学では論文の撤回を申請し、さらに関係者の処分についても進めています。

京都大学では論文のねつ造が認定されたのは初めてであるとのことです。

記者会見では、論文の論旨に有利なように数値を操作し、1桁数字を動かして数字が大きくなるようにしていたことなどを報告しました。

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写真:Google Image Search

iPS論文ねつ造について京都大学の記者会見

京都大学は記者会見を開き、京都大の湊長博理事・副学長は「きわめて遺憾であり、関係者の皆様に心よりお詫び申し上げます」と謝罪しました。

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写真:Google Image Search

そして研究にかかわる詳細事項を説明したのは山中伸弥研究所所長でした。

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山中所長は冒頭、「論文不正が起こってしまったこと、強い後悔と反省をしている。不正を防げなかったことに対して無力感を感じている。」と話し、

さらに「論文不正を防ぐために様々な取り組みをしてきた。定期的に研究者からレポートを提出してもらい、対策を練ってきた。」と不正を防ぐための取り組みをしてきたことも語りました。

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「多くの論文不正を防ぐためにいくつかの取り組みをしてきた。3カ月に一度、実験ノートを提出させ、全員に生データを提出させてきた。未然に不正を防ぐためだ。その上で、年に一度匿名のアンケートを実施してきた。しかし残念ながら防げなかった。」とし、「同じような論文不正が二度と起こらないように、さらに大学としての取り組みを進める。」と今までのやり方を見直す意向を見せました。

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写真:Google Image Search

山水助教のノートに関してはこのように語りました。

「山水助教は平成27年5月に海外留学から帰国し、研究に入った。ノート提出率は86%。だが、見抜けなかったと反省している。実際、彼のノートを見ると、今後は提出するしないのチェックではなく、内容に踏み込んで管理を全体でシェアしなければならない」

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山水助教は京大の取り調べに対し、「論文の見栄えを良くしたかった」と話しているといいます。

 

iPS論文ねつ造の発覚

それでは、どのようにしてねつ造が発覚したのでしょうか?

調べによると、この論文に疑義があるとの情報が内部から同研究所に寄せられたといいます。

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研究所が2017年7月に大学にこれを通報しました。

そして京大は調査委員会を設置し、同年9月から調査を始めていたそうです。

その結果、今回の事件が発覚したのでした。

写真:Google Image Search

山水助教は最初の大学の聞き取りに関して、ねつ造を否定していました。

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しかし、調査結果がはっきりした段階でねつ造を認めたといいます。

詳しいねつ造についてはまだ調査中ではありますが、他の人が関わっていないことは認定たそうです。

 

論文というのは、別の論文でも引用されます。

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この件に関して、今回の論文が12本の論文で引用されているとし、「1日も早く撤回すべきで、ジャーナルに連絡した。いま手続きが行われている。」と語りました。

1本の論文が多くの関係者や研究者に、多大な影響と迷惑をかけてしまったのです。

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