今月7日、ノルディックスキー・ジャンプの混合団体は、日本の高梨沙羅選手含む、4チーム計5選手がスーツ規定違反とされて失格となりました。
高梨さんは太もも部分が規定寸法の最大許容差より2センチ大きかったと判断されたのでした。国際スキー連盟から派遣され、高梨選手ら女子選手を担当した“アガ”ことアグニエシュカ・バチコフスカ機材検査官兼コーディネーターは、スキージャンプの経験は一切ないといいます。
FISに職を得た後の2011年は、同国のスキー協会に職業理念を語っています。「自分自身はスキージャンプの経験はないが、何とかFIS職員になった。選手であったならば、その経験は間違いなく生きるが、この仕事を遂行するための必要不可欠な条件ではない。このスポーツを愛し、完全な知識を持っていれば、元選手と同じレベルの仕事をできる。選手でないことが原因で不足している要素は、全て補える」
さらに、当時のスキージャンプ界は女性コーディネーターの存在自体がまれだったそうで、「最初は、みんなが『この女はここで何をやってるんだ?』という感じだった。実際に『かわい子ちゃん、スキージャンプの何を知ってるんだい?』みたいな思い込みが存在した」とし、「その思い込みこそ、変えられなければならないものだった。このスポーツ界で、女性の存在がより大きくなれば人々の意識も変化するだろうし、男性が支配する集団の雰囲気を変えられるのは女性だとも思った」と話しています。
今回の騒動に関しても、その後に「(規定違反との)決断には一切、疑念を抱かなかった」と語っているそうです。
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