「タッチ」は野球漫画界の巨匠、あだち充先生の漫画で、「週刊少年サンデー」に1981年から1986年まで連載されました。少年漫画であるにも関わらず、男性のみならず、女性にも多くの支持を受け、 テレビアニメ、劇場用アニメとしてアニメ化もされ、実写のテレビドラマや映画も製作され、あだち充先生の最大のヒット作となりました。
あらすじは、上杉達也と和也は一卵性双生児の兄弟ですが、文武両道でまじめな弟の和也に対し、お調子者でいい加減な兄の達也。そしてその2人と幼い時から一緒に行動している、隣に住む同い年の美少女、浅倉南を中心にストーリーが進みます。
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やがてそれぞれが異性としてお互いを意識し始めますが、関係はどちらつかずのまま、３人は同じ高校へと進みます。「甲子園に連れて行って」という南の夢を叶えるため、1年生でありながら野球部のエースとして活躍し、周囲からも期待と信頼を得ていた和也ですが、地区予選決勝に向かう途中、子どもをかばって交通事故で死んでしまいます。
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そのため、今度は達也が和也の「南の夢を叶える」という夢を継ぐために野球部に入ります。最初はチームメイトに嫌われ、バッテリーを組むのを拒否されたり、和也との思い出や朝倉南との微妙な関係にチームはぎくしゃくしてしまい、試合に負けてしまったりします。
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しかし、達也たちが3年生となった頃、野球部の監督の病気や、周囲の駆け引きに振り回される中でも、チームの結束は強まっていき、過酷な練習の中でも一人も野球部を去ることなく夏の甲子園の地方予選を迎え、とうとう甲子園出場権を手に入れます。同時に南も新体操のインター出場へのプレッシャーに負けそうになりつつも、達也と乗り越えていくことで、絆を深めていきます。
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最終回では場面は秋に飛び、受験生となった達也と南は毎日勉強に追われています。南の部屋には「インターハイ 個人総合優勝 浅倉 南」の新聞の切り抜きが。達也の部屋には、「第６８回 全国高校野球選手権 優勝」と書かれた皿が飾られているところで、物語は終わります。
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この「タッチ」という印象深いタイトルの由来なのですが、作者のあだち充先生がインタビューの中で、「バトンタッチ」の意味だと明かしています。つまり、最初から和也は死んでしまう予定で、その意思をバトンタッチされて受け継ぐのが達也だったと。最初からすべてストーリーがつながっていて、タイトルもきちんと伏線になっていたのですね。この裏話が発表されたのは最近のため、往年のファンにもかなりの衝撃を与えました。