6月29日から九州を中心に降り続いた大雨に、7月2日、気象庁は異例の会見を開きました。昨年の西日本豪雨を引き合いに早期避難を促し「自らの命は自らが守らなければならない」と警戒を呼びかけていました。それを受けて、熊本市の大西一史市長がTwitterを通して非難を呼びかけたツイートが話題となっています。
九州の土砂災害を長年研究する専門家も「非常事態だ」として、「深層崩壊」など大規模な土砂災害への警戒を呼びかけていました。現在では、熊本県や鹿児島県などの一部地域で出されていた避難指示・勧告はすべて解除されています。今回の九州南部を襲った大雨被害ですが、7月3日には1000ミリを超えた地域もあり、鹿児島県内では土砂崩れにより死亡者2人となっています。
【警戒レベル3】17時15分避難準備・高齢者等避難開始を発令しました。これから明日にかけ記録的大雨の予報です。災害のリスクが高まっています。熊本市内の山沿いの方や高齢者など避難に時間のかる方は明るい内に早めに避難してください。避難場所等は熊本市HPをご覧下さい。https://t.co/XEXaevMfNX
ADVERTISEMENT — 熊本市長 大西一史 (@K_Onishi) July 2, 2019
そんななか、熊本市の大西一史市長がツイッターで早めの避難を呼びかけたところ、学校を休校にするよう求める学生からの書き込みが相次いでいました。「私はまだ明日提出の課題をしておりません。おねがいしまぁぁぁぁぁす!!休校にしてくださぁぁぁぁぃぃぃぃ!!」「アルゼンチン対ブラジルをリアルタイムで観たいので休校おねしゃす」「大西さんもう何でもします!!! なので!!!休校にしてください。」「水も滴るいい男の僕でさえ明日の雨だと前髪が崩れて、顔面が土砂崩れ起こしちゃうんでシンプルに明日は熊本市内の学校全部休校にしてください。」
学校を休校にする権限の無い私のツイートに「休校にして欲しい」とリプで必死に懇願する熊本の若者達が愛おしいですね。学校が休校になろうがなるまいが将来の日本を背負う皆さんはこういう時に判断力を養って自分の身は自分で守って下さい。皆さんのご活躍をお祈り申し上げます。
ADVERTISEMENT — 熊本市長 大西一史 (@K_Onishi) July 2, 2019
あまりにも多くの学生や若者が市長に自分の願いをリプライするという反響を受けて、大西市長は「自分に学校を休校にする権限がない」としつつも、その気持ちが愛おしいとコメント。続けて、「学校が休みになろうがなるまいが将来の日本を背負う皆さんはこういうときに判断力を養って自分の身は自分で守って下さい」と学生達に向けて応援メッセージを発信していました。
実は、学校教育法施行規則などによると、公立小中で災害時に臨時休校するかどうかを決める権限があるのは、各校の校長とされています。しかし、このツイートには1万以上の“いいね!”が押されていて、「休校になりました!テスト前なのでテス勉頑張りますね!」「そんな大西市長が一番愛おしい」「被害が最小限で済みますように。我が家も、備えます。」などの絶賛コメントが寄せられました。
また、3日の記者会見でツイート内容の経緯を問われた大西市長は「私の真面目なツイートに対し、学生たちがおちゃらけた感じの書き込みをした。普通に怒っても伝わらないと思い、ご批判はあるかもしれないが少しくだけた感じでツイートした」と説明しています。