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ご当地アイドルが自ら命を絶え、「1億円払え」vs「高校の費用12万円」…事務所と遺族の食い違い


わずか16歳の少女。自分に居場所がないと感じて、自ら死を選ぶ―。


写真:hochi.co.jp

愛媛県を拠点に活動していたご当地アイドルグループ「愛(え)の葉(は)Girls」のメンバーの大本萌景(ほのか)さんがこの世を去っていったのは3月21日のことでした。

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彼女の姿を最初に発見したのは母親の幸栄さんでした。


写真:AIKRU[アイクル]

萌景さんと連絡が取れず、心配していた幸栄さんは午後1時40分頃に自宅に到着して、急いで2階へ上った彼女の目に飛び込んできたのは、紫色に変色した足でした。

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「紫色になった足には白い模様が点々とついていて……。さらに階段を上りながら見上げた時、全開になった萌景の部屋の“戸当たり”に電気コードが引っかかっており、そこに萌景がぶら下がっているのが目に入ってきたのです」―幸栄さん。

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「私は急いで電気コードを外そうとしたのですが、なかなか外れず、1階にいた私の父と母に向かって“萌景が首つっとる!”と叫びました。すぐに父が119番し、救急隊が来るまで心臓マッサージをしていた。その後、救急車に乗って病院に行きましたが、お医者さんからは“何も出来ることはありません”と告げられました」-萌景さんの姉の可穂さん。

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「病院の萌景の部屋に入っても、なかなか萌景の側に行けなくて……。お母さんから“はよ、おいで。最後やけん”と言われて目にした萌景は、顔が真っ白で、唇が真っ青で、なんか変な点々も付いていて……。それを見た瞬間、私、立てなくなってしまって、ずっと座っていました」

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写真:n2-ch.com

そんな突如の悲劇から7カ月弱。真相を追い続けてきた幸栄さんは訴訟を起こすという道を選びました。

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約9200万円の損害賠償を訴えられたのは、萌景さんが所属していた愛媛県松山市の「hプロジェクト」と、同社の佐々木貴浩社長です。

このような悲劇になってしまった背景には、事務所によるパワハラや苛酷な労働環境があったと、遺族側は訴えています。

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一方、事務所側としては、それを全面否定しています。


写真:産経ニュース

遺族側の代理人を務める望月宣武弁護士によると、「今回の一件において、長時間労働や健康面に配慮しない事務所のやり方が、問題の根底にあります。ただ、最終的に自殺に繋がったトリガーの一つは、貸す予定だった費用を貸さないと彼女が言われたことだったと考えています」

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悲劇が起きた前日の3月20日、萌景さんは母親と共に事務所を訪ね、全日制の高校に転学するための費用の約12万円を借りることになっていたが、「お金は貸せない」と事務所スタッフに言われたのだそうです。

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「そう言われた後、彼女は自殺の方法について調べ始めるようになります。その日の夜11時頃には佐々木社長との電話で『(グループを)辞めるなら1億円払え』と言われるわけです」と望月弁護士。

 

「社長の発言が最後のダメ押しとなった可能性はありますが、少なくとも、学費を貸さないという発言によって自殺を考えるようになったのは間違いない。しかも、彼女のスマホの検索の履歴を見ると、日常的に自殺を考えていたということはなく、3月20日に初めてそうしたことを調べている。そう考えると、彼女にとって学費を“貸さない”という発言がいかに大きかったかが分かります」

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母親の幸栄さんによると、「お金を貸さないと事務所で言われて帰る車の中、萌景の表情は今まで見たこともないくらい本当に暗くて、ちょっと話しかけられない雰囲気でした。そうしたら急にボソッと『ママ、刃物が飛んでくるっていう言葉あるやん? でも、今日の言葉はね、おっきな刃物が飛んできた』と呟いたのが忘れられません」

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一方、佐々木社長は電話での「辞めるなら1億円払え」と発言したことに対して明確に否定をしています。

「まず、間違った報道があるので訂正しておきたいのですが、2019年8月の契約期間満了をもって萌景ちゃんが『愛の葉』を辞めることはあの電話の数カ月も前に決まっていた話です。辞めた後は保母さんになりたいとも言っていて、事務所も承諾していた。だから、あの電話で(『愛の葉』を)辞める辞めないという話になるはずがなく、“辞めるなら1億円”というのもあり得ないのです」-佐々木社長。

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「“お母さんと話し合った結果、全日制の高校に行くのはやめた”と萌景ちゃんが言うので、高校には行った方がいい、と何度も説得しました。しかし、“お母さんと話して決めました”の一点張りで、すみませんと謝り続ける。結局、翻意させることは出来ないまま、電話を切りました」(同)

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事務所スタッフが、萌景さんと母親に対しての「お金は貸せない」と言ったのは…

 

「あの日の午前中、萌景ちゃんのお母さんが事務所スタッフに電話で“萌景が門限の22時までに帰らない、言うことを聞かない”とこぼすので、スタッフが“今日夕方お会いするときに私から注意しましょうか?”と申し出たのです。お母さんは、“ぜひお願いします”とおっしゃった」

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「そして、お母さんと一緒に事務所に来た萌景ちゃんをスタッフが叱責しました。スタッフは萌景ちゃんが物事を簡単に考えていると感じ、“社長はそんな半端な気持ちでお金を貸すのではない”と言った上で、“もう一度きちんと考えてから必ず今日中に佐々木社長としっかり話をして下さい”と、お金の受け渡しを保留したのです。ただし、スタッフも、その後報告を受けた私も、萌景ちゃんが生活態度を改め反省してくれたら、お金を渡すつもりで用意していました。だからその晩の電話で、高校に行かないと言い出したときも、『いまからお金を持っていくから』と翻意するよう説得し続けたのです」point 280 | 1

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「貸せない」と言われた萌景さん。母親と話し合った結果、全日制高校に転学することを諦めてしまったようで、同時に、彼女の夢も断ち切られてしまったのです。わずか16歳、あまりにも短い人生でした…

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