警察官やパトカーの前などで、挑発的なダンスや言動を繰り返す模様を撮影し、それを動画投稿アプリ「TikTok」などで公開する行為が、全国的に広まっています。しかも、アクセス数を増やすためなのか、内容はどんどん過激化。ワイドショーなどでも、これらの問題を連日のように取り上げています。それがなんと芸能人にまで及んでいるのです。
元アイドル
問題の動画を投稿したのはアイドルグループ「Hipps(ヒップス)」などで活躍した、グラビアアイドルの山内えりかさん。山内さんといえば、現在は林家三平さんの妻として有名な国分佐智子らと共に、97年に『ベイキャニオンズ』として活動しています。その後、98年には当時の人気番組『THE夜もヒッパレ』(日本テレビ系)に出演していたダンサー4人で結成された『Hipps』に参加しました。写真集なども発売するなど、当時は人気グラドルのひとりでした。19年6月にはイメージDVDを発売するなど、現在も現役グラビアである彼女。YouTubeに《山内えりかのドライビングテクニック》と題し、複数の動画を公開しています。シリーズ化されているようで、現在はPART16まで作られているようです。
動画は主に山内さんがひとりで運転するところを自撮りしている動画なのですが、明らかに運転中にスマホを使用しています。しかも、シートベルトはしないで運転している動画もあり、警察官に詰め寄っているシーンもあるのです。彼女が公開している動画を見ると、走行中に運転しながらスマホを片手に自撮りしている様子が、サイドミラーに映り込んでいるのが確認できます。また、トランプ大統領来日のため道路が封鎖されていることに怒っているのか、交通整理の警察官に対し、「詐欺師とか暴力団とか捕まえてくれないのに、こういうことだけはうるさいんだね!」と詰め寄るシーンも自撮りされています。しかも、YouTubeの動画紹介欄には、「元ベイキャニオンズ、元Hippsで有名な(笑)山内えりかです! 私の超絶ドライビングテクニックを公開しちゃいます。警察なんか怖くない! 逮捕できるもんならしてみなさいよ(笑)」と、かなり挑発的な言葉が並んでいるのです。
YouTubeは否定
運転中に携帯電話やスマホなどを使って自撮りし、公開することはいったいどんな罪に問われるのでしょうか。交通違反に詳しい『弁護士法人・響』の坂口香澄弁護士は「スマートフォンによる通話や画面の注視は道路交通法で禁止されており、“ながら運転”により事故を起こした場合には反則金として、普通車で9000円の支払いが命じられます(この反則金を拒否した場合には、刑事罰として3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金の対象となります)。また、事故など交通の危険を生じさせなかった場合であっても、反則金として普通車で6,000円の支払いが命じられます(反則金を拒否した場合、刑事罰に移行し、5万円以下の罰金の対象となります)。なお、スマートフォンの操作による重大事故の増加を受けて、罰則を強化する道路交通法改正が行われ、19年12月の施行が予定されています。また、このような違反行為をYouTubeなどのSNSで公開すること自体が罪には問われることはありません。ただ、スマートフォンの“ながら運転”に対する社会の目は年々厳しくなっていますので、このような動画を警察が関知し、今後この動画を元に警察が動かないとも限りません」と解説しています。
今後、警察が動くかもしれない“危険運転”動画。公開した山内さん本人は「運転しながらのやつですよね? 私がYouTubeに公開しているんじゃないです。FacebookとかLINEでライブ配信しているものを、誰かが公開しているんです。なので、YouTubeは見たことないんです。ただ、動画自体は私が撮ったもので間違いないです。仕事の移動中とかに、配信していたんですね。ただ、それは残さずに1回1回、消しているんですよね。仕事の宣伝になればいいかなと思ってFacebookとかやっているんですけど、YouTubeもやりたいなと思っていたんですけど、やり方が分からなくて。なので、そこに書いてある《警察なんか怖くない!》なんて言葉は、私が書いた言葉ではないです」とYouTubeでの公開は否定しました。
態度一変
この様にFacebookなどで配信していたことは認めていたにも関わらず、この動画に出ている“ながら運転”が道路交通法違反の可能性があると指摘すると、山内さんの態度が一変。「動画は盗撮されたもの」「知らない」などと話し、一方的に電話取材を切られてしまいました。過去には松本伊代さんと早見優さんが線路内に立ち入った写真をブログに上げ、書類送検されたこともあります。影響力のある芸能人が、軽々しく「危険運転」動画を公開するというのは、なんともお粗末すぎますよね。