寒い季節にぴったりなポトフは肉と野菜の旨味がスープに溶け出した煮込み料理です。見た目には派手さはありませんが素材の味がしっかりと生かされていて、冷え切った体を芯から温めてくれる料理です。レストランでは本格的なポトフを提供してくれますが、家庭用のレシピで手軽に作ってみても良いものです。さらにポトフの良いところは大量に作って他の料理にリメイク出来るという事です。ここでポトフという一つの料理の作り方から別の料理へと変貌を遂げるその過程を学んでみませんか。
ポトフの基本はスープ作りから始まる
写真:ameblo.jp
ポトフを作るにあたって最も大切なポイントは、材料に対してはケチらないという事です。新鮮で良い材料を使うという事はどの料理に対しても共通しているものです。それでもポトフに関して言えば余計な調味料が入らない分、素材の旨味が味の核となります。そのため素材の肉や野菜は出来るだけ質の良いものを選びます。まずはポトフはスープ作りからスタートします。厚手の鍋に水を張って玉ねぎや人参の皮とセロリの葉の部分を入れます。
写真:ameblo. jp
熱く熱したフライパンに牛肉のスネ肉の塊を入れて表面全体に軽く焼き色を付けます。ここで使用する牛肉ですが出来れば国産牛の使用がオススメです。理由としては輸入肉に比べて臭みやアクが少なく、肉の繊維も軟らかく仕上がり美味しさに違いが出るからです。先程の鍋に焼き色を付けた牛肉を入れて火にかけます。最初は沸騰するまで強火にしますが、アクを取りきったら中火から弱火にしてじっくりと煮込みます。ここである程度煮込む事で野菜の旨味が溶け出し、肉質も柔らかくなります。長時間煮込んで肉に竹串を刺して柔らかさを感じたら、一旦ザルにあけて野菜くずを取り除きます。再び鍋に澄んだスープと肉を入れ、面取りして大きくカットした人参やセロリ、カブと玉ねぎはカットせずに丸ごと鍋に入れます。コンソメキューブを足してローリエの葉を加えてコトコトと煮込みます。途中でジャガイモを入れて煮込み、全体的に柔らかくなったら塩とコショウで好みの味に整えます。
ポトフからリメイク出来る料理の数々
写真:ベーコンポトフ 京都・美山のこだわり自家製ハム工房 まつだファーム
牛のスネ肉を使った本格的なポトフはマスタードを添えて食べても美味しくなります。ただし牛スネ肉はお金がかかるからちょっと、という場合は、大きめのソーセージやベーコンの塊を使ってもお手軽ポトフとして美味しく食べられます。その時の冷蔵庫にあるものや、お財布と相談して作ってみるのが良いでしょう。実際に本格的なポトフを一度に大量に作ったとします。これを何日もかけて食べ続けるのはさすがに飽きがくるというものです。そこで残ったポトフをリメイクして別の料理に作り変えてしまうのがオススメです。
写真:サンキュ!
実際に原料は肉と野菜という事からカレールーを入れてカレーにする事が出来ます。またハヤシライスやホワイトシチューのルーでも同じようにリメイク可能です。和風のものにリメイクしたいという事ならば、酒とみりんに醤油と砂糖を足して煮込めば肉じゃがになります。スープを小鍋に移して紹興酒とオイスターソース、少量の砂糖とごま油を加えて水溶き片栗粉でとろみをつけ、野菜と肉と絡め合わせれば中華風の味付けになります。牛肉を取り出し野菜とスープをミキサーにかけてバターと牛乳を加えて煮込めば、ホワイトソースとなりグラタンやドリアのソースにも出来ます。このような感じでポトフを大量に作って余ってしまったと悩んだら、少し手間を掛けて数々の料理を作ってしまえばその週の献立は揃ってしまいます。
まとめ
写真:ライブドアニュース – Livedoor
ポトフは煮込むだけの簡単料理にも見えますが、実は素材の良さを引き出すための手間が必要な料理です。そのためアク取りや肉や野菜の状態のチェック、さらに旨味を最大限引き出す味付けが大切になってきます。ですがそれだけの手間をかけただけあってその味わいは格別でもあり、レストランほどではなくても家庭で美味しく作れる魅力あふれる料理です。身も心も凍える寒い冬にこそ、このような温もりのある一品で家族や友人を迎えてみるのも良いものです。