結婚式や食事会など、外でワインを飲むときに悩むのがワイングラスの持ち方です。間違った持ち方をしていらぬ恥をかかないためにも、大人のたしなみとして正しい持ち方を身に付けましょう。そうすれば、食事の席をより楽しむことが出来るはずです。
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日本では「足」を持つのがマナー?
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ワインは熱に弱いお酒です。だからこそ体温でワイン本来の味を損なわないために、ワイングラスは足の部分、ステムをそっと摘まむのがマナー、と日本では多くの人が認識しています。実はこのステムを持つ持ち方は、間違ってはいないものの、公式なマナーではありません。公式マナーでは、ステムを持つのは「テイスティング」のとき、とされています。テイスティングとはワインの持つ多彩なニュアンスを利き分けること。試飲会など、いろいろなワインを試しのみする際は、ステムを持つ方法が正しいマナーと言えます。そうすることで体温によってワインが変質してしまうのを防ぐことができ、味や香りを正確に楽しむことができるからです。
覚えておこう!世界共通マナー
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ステムを持つ方法も間違ってはいませんが、目上の人と一緒のフォーマルな場や、取引先の人を招いたパーティなど、正式な世界的な公式ルールが必要になる場面もあるでしょう。公式マナーでは、ワイングラスはワインの入ったボウル部分を持つことが正しいとされています。これには2つの理由があります。まず周囲の人への配慮です。パーティでは乾杯で高くグラスを掲げたり、グラスごと相手の方に向いたりする場面も多くなります。ステムを持つ方法ではそんなときグラス自体が不安定になり、相手の服を汚してしまう危険があるからです。
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2つめはワイングラスそのものに対する配慮です。古くからワインに親しんできた海外では、ワイングラスそのものが長い歴史を持っています。特に上流階級で使われるようなワイングラスには豪華な装飾が施されていることも珍しくなく、ステム部分に細かな装飾を持つグラスも数多くあります。ステム部分を持つ持ち方では、ステムに施された装飾が隠れてしまいますし、繊細故に壊れてしまう恐れもあります。それを防ぐために、ボウル部分を持つことが正しいと、公式マナーでは設定されているのです。
その場を楽しむのがなにより大切
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日本人の多くがステム部分を持つのが正しいと思っているので、内輪のパーティなどではその持ち方でも問題ないでしょう。大勢が正しいと思っていることを頭ごなしに否定してしまうと、その場の空気が悪くなってしまいます。場を楽しむことが最大のマナーと心得て、場面によって相応しい持ち方をするのが一番です。