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ウマさの秘密はきなこと黒蜜!信玄餅の知識


信玄餅は山梨県の銘菓で、お土産物としても有名です。信玄餅は、餅粉に砂糖及び水飴を加えて練り上げて求肥を作り、長方形状に形作り、周りにきなこをまぶしてあるお菓子です。そのまま食べても甘くて美味しいですが、ほとんどの場合は添付されている黒蜜をかけて食べます。きなこの香ばしさと黒蜜の滋味のある甘さが相まってとても人気があります。


写真:hatena.com

甲斐国の戦国大名の武田信玄の名前を冠していることから、ルーツが山梨県が戦国時代にさかのぼるとも言われています。一説によると、武田信玄が出陣して戦地に赴く際に、食料が調達できない場合の非常食として自軍に持たせた餅がルーツとされています。きなこを風味付けにまぶしたり、黒蜜で味を楽しんだりするような菓子ではなく、餅に砂糖を練り込んだ物と伝えられています。砂糖は旧来から防腐剤代わりに用いられていた調味料で、砂糖の甘さが雑菌などを寄せ付けない役割を果たしていたとみられます。point 297 | 1

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写真:kikyoushingenmochi.com

もう1つのルーツは、山梨県では、古来からお盆の時期に安倍川餅を食べるのが習慣となっていて、それが元になったと言う説もあります。安倍川餅とは、静岡市安倍川流域で、徳川家康が現在の静岡県である駿府の領地に入り、金山を視察に訪れた際に出された餅菓子のことで、菓子を気に入った徳川家康が安倍川餅と名付けたといわれています。この安倍川餅は、つきたてのお餅にきなこをまぶしてある物で、その上から白砂糖がかけられています。point 279 | 1

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写真:kotsumekawauso.com

家康は味もさることながら、金山の視察の際に、金粉に見立てたきなこを使ったお菓子を出した所について、大いに気に入ったと伝えられています。現在ではこしあんをまぶしてきなこをかけているものもあります。黒蜜と白砂糖の違いがありますが、両者とも餅の生地にきなこをまぶしているのが共通しています。いずれにせよ、お菓子のルーツに著名な戦国大名が関わっているのが興味深いでしょう。

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写真:toyokeizai.net

山梨県のメーカーでは、信玄餅の製造工程の見学ができたり、直営店で作りたての味を楽しめたりします。訳ありの信玄餅を安価に購入できることもありますので、富士山周辺の観光や山梨に遊びに行った際に利用するといいでしょう。直接出向くのが難しい場合は、通常の信玄餅であれば通販サイトで1年を通して販売されていますので、いつでも購入できます。

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写真:shokokai.or.jp

現在では、信玄餅から派生して水信玄餅も作られています。山梨県内の湧水を利用して、信玄餅を寒天で固めたお菓子です。柔らかい食感を生かすために、最小限の寒天で固められていることから、30分ほどでしぼんでしまうため、近隣の店舗で限定販売されています。販売時期や曜日も限られているので、地元に住んでいる人でないと購入が難しいと思われます。

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