X
    Categories: ISSUE

東村アキコの「ヒモザイル」に批判が殺到?主夫をヒモ呼ばわりしたのが問題?


人気漫画家の東村アキコさんが講談社の漫画雑誌「月刊モーニング」で開始した新連載「ヒモザイル」が開始から間もなく、SNSで大炎上を起こし休載に追い込まれたことをご存知でしょうか。

炎上の理由は「ヒモザイル」の内容が差別的、上から目線、人を馬鹿にしているなど様々ですが、実際「ヒモザイル」は差別的な内容なのでしょうか。作者の東村アキコさんはどのような意図をもって「ヒモザイル」の原案を生み出したのでしょうか。詳しく見ていきたいと思います。

ADVERTISEMENT

 

「ヒモザイル」の内容とは


写真:プレジデントオンライン

「ヒモザイル」は人気漫画家の東村アキコさんの新作漫画です。東村アキコさんは「ママはテンパリスト」でデビュー後、「主に泣いています」「海月姫」「東京タラレバ娘」など大ヒット作を連発している大人気の漫画家で、現代社会の現実にぐさりと突き刺さるシニカルな面白さが作品の魅力です。

ADVERTISEMENT

「ヒモザイル」もまさにシニカル全開で、「ヒモ」つまり女性の収入で養ってもらう男性を育成する試みを漫画でレポートしていく、というものです。社会性に欠け、イケていない東村アキコさんのアシスタント男性たち、そして講談社が募集したヒモザイル希望者を女性ウケのする立派なヒモザイルに育成し、彼氏や結婚相手を見つける暇なく仕事に邁進しているキャリアウーマンとカップリングしようという企画でした。

ADVERTISEMENT


写真:オレ的ゲーム速報@刃

ヒモザイルのポイントは、ただ女性の収入をあてにして自堕落な生活を送るタイプのヒモではなく、家事や日頃のお世話はもちろんのこと、精神面も肉体面も女性をサポートし、快適な生活を作り出す存在になることです。そして、仕事に邁進している女性の多くは働く男性と同じように日常の中で仕事のボリュームが増えているため、家のことをしてくれる「嫁が欲しい」などという冗談があるあるです。

ADVERTISEMENT

東村アキコさんはこれを需要と供給と捉え、ピカイチのヒモ軍団であるヒモザイルを育成し、その過程を漫画にしようと考えたのです。

 

ヒモザイルはなぜ批判されたのか


写真:オレ的ゲーム速報@刃

ADVERTISEMENT

では、実際にヒモザイルは差別や人に不快感を与える内容だったのでしょうか。

このようなシニカルな笑いを主としている場合、それをブラックユーモアのように好意的に受け取る人もいれば、笑いには結びつかずに不快と感じてしまうことはよくあります。ヒモザイルも然りで、イケてない男を馬鹿にしすぎ、上から目線で不愉快、また「ヒモ」という言葉を使うのが差別的、という批判が殺到しました。

ADVERTISEMENT


写真:NIKKEI STYLE – 日本経済新聞

でも、よくよく考えると、性別を逆にすると差別でも何でもないことがわかります。バリバリ働く男性のために尽くす女性、家事は完璧で常に旦那さんを立てて裏方でサポートする専業主婦の存在は全く違和感なく世の中になじんでいます。また、「マイフェアレディ」や「プリティウーマン」のようにお金や権力を持つ人が相手を育てあげ、最終的に結婚(玉の輿)に乗るストーリーはむしろ憧れのまなざしで見られたりします。

ADVERTISEMENT

今は働く女性が増えて専業主夫も増えているようですが、それでもまだまだマイノリティーです。しかし、日本の政治が女性の社会進出を推進を後押ししているこの時代、働く女性を家でサポートする夫がいてもなんら問題ないわけで、「ヒモザイル」という名前のチョイスはさておき、まだまだ世に少ないそういった男性を育成するプロジェクトは目の付け所としては時代に合っていて面白いのではないでしょうか。

ADVERTISEMENT

 

まとめ


写真:All About NEWS – All About(オールアバウト)

ヒモザイルは言い方を変えると専業主夫育成プロジェクトです。それだけみると全く問題ないように思えますが、ヒモザイルが批判されたのは「ヒモ」という言い方が差別な印象を与えてしまった点と、女性の社会進出が進んでいるとはいっても、まだまだ男性優位の風潮が世の中に残っていてなかなか受け入れられなかったことが原因ではないでしょうか。

ADVERTISEMENT

とはいえ世の中の最先端を皮肉を交えながらうまく話題にしている東村アキコさんのセンスは抜群といえるでしょう。