米動画配信大手ネットフリックスや、フジテレビが放送する恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演中だった 女子プロレスラーの木村花（きむら・はな）さんが23日未明、亡くなったことが分かりましたが…。番組での行動を巡り、ネット上で激しい誹謗（ひぼう）中傷を受けていた 木村さんは 22歳。神奈川県出身。死因は不明で、自殺とみられているという。
「安らかに眠れ、ハナキムラ」拡散、米国のトレンドワードで一時1位に…
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木村さんの悲報は海を渡り、米国にも衝撃を与えた。ツイッター上に木村さんの死を悼む「＃RIPHanaKimura（安らかに眠れ、ハナキムラ）」の言葉が広がり、米国のトレンドワードで一時1位に。「テラスハウス」はネットフリックスで世界に配信されていることもあり、英国やカナダなどでも同様に広がりました。point 151 | 1
同番組は 12年にフジテレビでスタート。若い男女6人が共同生活を送る様子を、視聴者に届けるリアリティー番組。設定は「番組が用意したのは家と車。台本はない」。恋の駆け引きはもちろん、嫉妬や裏切りも生々しく見せることでエンターテインメント性を高めています。
関係者は「台本がゼロではないが、本場の米国のリアリティーショーに比べると格段に演出は少ない」と話しており、展開は出演者次第。ある出演者によれば、ギャラは月10万円という。番組出演を芸能界での活躍につなげたタレントも多いようです。
その番組を支えてきたのが SNS世代の若者。ネット上に「まとめサイト」がいくつも作られ、番組を見ながらツイッターに感想を書き込む人も多いという。事務所関係者は「出演者が叩かれて炎上することもよくある。良くも悪くも話題になることで番組の存在感を示してきた」と話しました。しかし 、そのSNSの書き込みが 今回の悲劇を招いてしまったようです。point 235 | 1
自殺を図ったとみられる23日未明には「おまえが早くいなくなればみんな幸せなのにな。まじで早く消えてくれよ」という中傷に「いいね！」を返しました。さらにリストカットされた手首の写真とともに「毎日100件近くの率直な意見。傷ついたのは否定できなかったから」「愛されたかった人生でした」などとSNSに投稿。続けて「ばいばい。」と、死をほのめかすような言葉を書き込んでいたというのですが…。現在 それらの中傷も一斉に削除されているようです。point 215 | 1
木村さんは悪役レスラーということもあり突っ張った言動を取ることもあったが、関係者によると「内面は自己評価の極めて低いタイプで、自分のマイナス点ばかりに目を向ける。感受性が強くすぐに泣いてしまう」という性格。「テラスハウス」について「自分で自分を“キモい”と思いながら見ている」と話していたという。
関係者は「中傷に正面から向き合ってしまい、押しつぶされてしまったのでは…」と無念そうに語っていました。
中傷コメントのダメージは想像以上…著名人から警鐘を鳴らすツイートが相次ぎ
「中傷コメントを書き込む人は“たいしたことじゃない”と思っているが、言われた方は想像以上にその言葉を重く受け止める。これを分かっていない人が多い。コロナの影響でストレスがたまっている人も多いだろうが、そのストレスを他人にぶつけるべきではない」と ITジャーナリストの井上トシユキ氏は 指摘しました。
昨年11月には 元KARAのハラさん（享年28）が 誹謗（ひぼう）中傷を苦に命を絶ちました。韓国ではこうした芸能人の自殺が相次ぎ、スマートフォンを扱う指1本で人を死に追いやることから「指殺人」と呼ばれるという。
「韓国の中傷の言葉はかなりストレートな表現が多い。日本でも直接的な言葉が増えてきている」と 井上氏は 警鐘を鳴らし、「自分がされて嫌なことは、相手にしてはいけない。普段の日常と同様に、それはSNS上でも同じだ」と話しました。
歌手のきゃりーぱみゅぱみゅ（２７）さんは「誹謗中傷を気にするな、なんて難しいよ。芸能人だって１人の人間。忘れないで」と投稿。実業家の前澤友作氏（４４）は限度を超えた中傷には「厳罰を」と訴え、「被害者のアクションが全体の抑止力になる」としました。
格闘家の那須川天心（２１）さんは「同じ人間とは思えない」と批判。タレントの武井壮（４７）さんは「ツイートで汚い言葉を投げかけるってこと。。本当に人の心を傷付けるってまだ分かんねえのかなあ。。」とやりきれないようにつぶやいていました。
ネット上に殺人事件の加害者とデマを書き込まれ苦しんだ過去を持つタレントのスマイリーキクチ（４８）さんは「ＳＮＳに向いていないのは平気で人を傷つける人」と指摘。「どれだけ悩み苦しんだか、悲しくてやるせない」と 木村さんへの思いをめぐらせていました。