シャネルズのメンバーとしてデビューして以来、お笑い界からも重用され、人気者としての地位を確立していたように見えた田代まさしさん。
まさか彼が薬物に手を染めるなどとは、誰も予知しなかったはずです。
今回はそんな田代まさしさんについてまとめてみました。
田代まさしさんについて
東京出身とされることもある田代さんですが、生まれは佐賀県唐津市です。
父親はキャバレーチェーンを経営していましたが、女性関係が原因で母親と離婚。
母親に引き取られた田代さんは、小学校に入学する前に、東京は新宿区百人町へと転居します。
数年間は母親との2人暮らしでしたが、母親が再婚したことをきっかけに父親の下へ行くことになります。
ただ、父親にも再婚相手がおり、馴染めなかった田代さんはグレはじめ、タバコやシンナー、飲酒などの不良行為を行うようになります。
1972年には芝浦工業大学工業高等学校機械科に入学しますが、16歳になるやいなや自動二輪車の免許を取得、単車にも乗り始めました。
そして、ここで田代さん以上に素行不良が目立っていた鈴木雅之と出会い、音楽を通じて意気投合します。
父親との関係はこじれたまま、素行不良も相変わらずでしたが、鈴木さんの母親には大変良くしてもらっていたようです。
高校を卒業し、車にハマった田代さんはガソリンスタンドに就職。
大型自動車免許も取得します。
そして、1978年、トラックの運転手へと転職しますが、その時に眠気覚ましとして覚せい剤を使用したことを後に語っています。
ただ、粗悪品であったせいか効果は薄く、その時は薬に溺れることはなかったようです。
それから2年後の1980年、シャネルズのメンバーの一人としてデビューを果たします。
顔を黒く塗った姿が印象的だったシャネルズは、ビジュアル的にも目を惹き、「ランナウェイ」はデビュー曲にも関らず、110万枚のミリオンセラーとなりました。
ただ、フランスのシャネルからクレームが付いたことで1983年にラッツ＆スターと改称し、現在に至ります。
ちなみに、ラッツ＆スターは活動休止状態ではあるものの、正式な解散には至っていません。
作詞家などのアーティスト活動の傍ら、田代さんは志村けんさんにお笑いのセンスを見出されたことから、バラエティ番組などにも頻繁に出演するようになります。
人当たりの良さと、子煩悩で家庭を大切にする良きパパのイメージを活かし、大手企業のテレビCMなどにも多く雇用されました。
多彩な才能を存分に発揮しているように見えていましたが、田代さん本人は日々大きくなるプレッシャーを抱え、悩んでいたのかもしれません。
世間を驚かせた田代さん
2000年9月、東急東横線都立大学駅構内で、女性のスカートの中を盗撮しようとしているところを目撃され、東京都迷惑防止条例違反で書類送検されます。
この事件はそれまでの田代さんのイメージに似ても似つかないことから、世間を非常に驚かせました。
田代さんは芸能活動を一時休止しますが、志村けんさんなどの働きで、翌年には復帰を果たします。
数々のバラエティ番組にも出演し、世間が盗撮騒ぎのことを忘れかけた2001年師走、田代さんは近所の男性宅の風呂場を覗いたとして現行犯逮捕されます。
そして、自宅から覚せい剤が見つかり、使用と所持の疑いで再逮捕となりました。
逮捕が師走であったことから、翌2002年新春用として収録済みであった正月番組も、田代さんの出演シーンは全てカットされることとなり、テレビ局の逆鱗に触れてしまいます。
田代さんの転落はまだまだ終わりません。
現行犯逮捕されるのは一度で終わらない
執行猶予中の2004年、覚せい剤取締法違反で再び現行犯逮捕されます。
この時は、嘔吐や気絶を繰り返すような状態で取り調べもままならず、病院に搬送され、点滴を打つなどの処置がされたそうです。
2005年、懲役3年6か月の実刑判決が下されて一度目の服役となり、獄中で離婚が成立しました。
2008年に出所、トークイベントやお笑いライブの司会に出演したり、ブログを開設したりといった地道な活動を行い、2009年には志村けんさんにも謝罪に行ったことが公となります。
ようやく薬物とは縁が切れたと思われましたが、2010年9月、コカイン所持によって3度目の現行犯逮捕となります。
頬がこけ、やつれた田代さんの姿は、世間を大きく騒がせました。
2011年に3年6か月の実刑判決が下され、再び収監されます。
2014年に仮釈放、ブログを更新するなどし、民間の薬物依存リハビリ施設に身を寄せていることを報告し、2015年には、薬物中毒者に向けた講演などを行い、同じように苦しむ人にメッセージを送っています。
決して悪い人ではないと思わせる人物であるだけに、今度こそは本当に更生してほしいですね