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NASAの画像分析で判明、「ギザのスフィンクス」には2体目が実在する?


エジプト・ギザの三大ピラミッドを守衛しているという「スフィンクス」は世界でも有名な巨大石像であるが、そのサイズは全長73.

5メートル、全高20メートル、全幅6メートルという。一枚岩から掘り出された像としては世界最大の建造物だ。しかし近年、古代エジプトに関する仔細な歴史研究と考古学的アプローチを経て、このスフィンクスには対となるもう一体の“幻のスフィンクス”が存在するのではないかと疑われている。

ギザのスフィンクスの不自然な点


写真:en.wikipedia.org

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古代エジプト人は二元論的信仰を持っていた。そのことは、彼らの建築や芸術にも色濃く反映されている。そんな古代エジプトの文化と歴史に鑑み、またエジプト中に散在する他のスフィンクスたちを観察すれば、それはいよいよ明らかである――すなわち、他のスフィンクスたちは左右対称であるばかりでなく、全て2体の“ペア”で存在しているのだ。ギザのスフィンクスだけがたった一体で独立している。これは、どう考えても不自然なのである。point 204 | 1

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10年以上にわたって対となる“2体目のスフィンクス”を探し続けているエジプト学者のバッサム・エル・シャンマー氏は、古代エジプトの二元論的信仰の他にも根拠はあるとしている。ギザのスフィンクスの前足の間にある、トトメス四世(紀元前1419年?~1386年?)によって設置されたとされる「夢の碑文」には、紛れもなく2体のスフィンクスが描かれているというのだ。

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写真:blog.livedoor.jp

さらに、氏はエジプト神話にも注目している。創造神アトゥムの自慰によって大気の神シューと湿気の神テフヌトが誕生するのだが、奇妙にもシューはライオン、テフヌトはライオネス(雌ライオン)の形で生まれたとされている。このことから、捜索中の2体目のスフィンクスも、きっとライオネスの姿であり、また前述した二元論的信仰からその2体は左右対称に配置されたはずで、互いに向き合っているか、同方向を向いて並行に並んでいるか、またはお尻を突き合わせているかのいずれかであったろうとまで言及しているのである。point 312 | 1

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対のスフィンクスの位置はどこ?


写真:ewao.com

奇しくもギザのスフィンクスのすぐ隣には、対のスフィンクスが設置されるにはおあつらえ向きの緩丘が存在している。もしも、この位置に2体目のスフィンクスが1体目のスフィンクスと横並びに建造されていれば、これまでに紹介した複数の状況証拠とも見事な符号を見せるのではないだろうか。NASAによる最新鋭の画像分析によれば、なんとギザの地形やモニュメントを構成する地層の密度を分析したところ、失われたスフィンクスがかつて存在したと氏が主張するエリアには、何かしらの建造物の痕跡が見受けられるそうだ。氏はこれを2体目のスフィンクスの残骸であると主張している。point 347 | 1

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もう一体のスフィンクスはどこに?


写真:ewao.com

現存するギザのスフィンクスとペアを成すはずの、失われたもう1体のスフィンクス。残念ながら、エル・シャンマー氏によると、約1000年前に強烈な稲妻に打たれたことで砕け散ってしまった可能性が高いという。ピラミッドに関する古文書には「私はかつて二つとともにあった。今は一つとともにある」など、かつて“二つ”あったものが、あるときを境に“一つ”になってしまったことを暗示する記述が散見されるという。

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また、現存する資料では、スフィンクスはしばしば金属製の冠とともに描かれており、これが雷という凄烈な衝撃を誘引したと考えられるとのことである。いずれにしても、もはや完全な形で幻のスフィンクスが発見されることは、なかなかなさそうである。

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