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子どもを産んでも育てられない時は?1人で抱え込まず制度をうまく利用しよう


経済的な理由等で生みの親が育てられない子どもを、養親が育てる仕組みが広がりそうです。子どもにとって最良の選択というのは、実の親が育てることだけではないのかもしれません。

子供を育てられない際に養親に託す特別養子縁組


写真: www.komazaki.net

最近よく耳にするようになった「特別養子縁組」という制度。これは生みの親が育てられない子どもを、裁判所の許可を得て、養親が育てる制度のことをさし、特別養子縁組が成立した時点で実親との親子関係は消滅し、戸籍上も養親の実子として扱われます。また、跡取りなどを目的とする一般の養子縁組とは異なり、養子の年齢制限や、実親の同意など様々な条件があるそうです。

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経済的な理由で特別養子縁組を選択した女性


写真: monkuma-nets.com

東京都内のある女性(36)は2015年暮れに女の子を出産。妊娠に気づいたのは3年前の春。予期せぬ妊娠だったようで、お相手は女性より一回り以上年下だったといいます。子どもを授かったことはうれしかったものの、男性の考えは違ったようで、育てる意思が見えなかったそうです。さらに男性の両親には、「息子はまだ若い。なかったことにしてほしい」「おろした方がいい」と言われたそうです。しかし女性は産みたいと思いながらも、1人で育てる経済的な余裕はありませんでした。point 315 | 1

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写真: agora-web.jp

女性はコールセンターで派遣社員として働きながら、コンビニエンスストアのアルバイトを掛け持ちする生活。収入は月20万円ほど。母子家庭で育ち、難病を患う母親の世話もしていた。かつて飲食業を始めた際に借りた借金も月7万円あったそうです。そこで女性は、妊娠に悩む女性を支援している団体に事情を打ち明けました。そこで提案されたのは特別養子縁組という制度です。女性は養親に託すことに戸惑いもありましたが「きちんと育ててくれる人がいるのなら」と、子どもを出産。特別養子縁組を利用することにしました。生まれた女児は今、子どもに恵まれなかった国内の夫婦の子どもとして育てられているそうです。団体を通し、女性のもとには、養親が作った女児の写真アルバムが定期的に届き、大切に育てられているといいます。point 405 | 1

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交際相手の逮捕がきっかけで特別養子縁組を選択した女性


写真: florence.or.jp

また、別の女性(35)は妊娠5か月の時、結婚しようと一緒に暮らしていた交際相手が警察に逮捕されてしまいます。産んで育てたいという思いは強かったが、父親のことを考えると子どもの将来が心配になり、生まれた女児を特別養子縁組に出すことにしたそうです。それでも、出産でわが子を抱いた時、いとおしくなり「育てたい」という気持ちもわきおこり、「本当にこれで良かったのだろうか」とも思ったこともあるそうですが、いつかは母親である自身の思いに気づいてくれれば、と願っているそうです。point 327 | 1

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まとめ


写真: www.ktv.jp

このように、やむを得ない事情で特別養子縁組を利用する方の中には本当は自分で育てたかった、と思うこともあるそうです。それだけに、現代の日本では子どもがきちんと育てられる環境を今よりも充実させるため、制度改正が急がれています。

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