もし飛行機の機内で乗客が体調不良になってしまったら?通常であれば医者を要請しますが、機内に常に医者が乗っているという状況などありえませんよね。そんな中、医者が乗っていない飛行機の機内で乗客の子どもが突如呼吸困難を起こし、客室乗務員が起こした「とっさの行動」が話題になっています。
飛行機の機内で呼吸困難を起こした女児
それは大韓航空の飛行機の機内でのこと。8月18日の午後4時35分に金浦(キンポ)空港から大阪に向かうKE739便にて、日本人の女児が突如呼吸困難を起こしてしまいました。女児は12歳で、飛行機が出発してから約1時間20分後に体調不良を起こしてしまいました。
隣に座っていた父親が娘の口の中に指を入れ、異物を吐かせようとしたのですが、女児の体調は悪くなるばかり。これにより、母親が助けを求めました。
客室乗務員がとった「とっさの行動」とは?
そんな非常事態に、客室乗務員は即座に親子の元に駆け寄ります。女児は気道に異物が詰まっており、だんだん意識を失っていました。客室乗務員は即、医者を要請しましたが、機内には医者がいない状況でした。そこで、1人の客室乗務員がとっさの行動に出ます。それは「ハイムリッヒ法」というもの。「ハイムリッヒ法」というのは、両腕で患者を後ろから抱きかかえ、拳を臍とみぞおちの中間に置き、両手で強く押し上げるように圧力を与えて異物を抜き取る措置のことをさします。しかし、その時点で女児の意識が戻ることはありませんでした。
それでも客室乗務員は粘り強く応急処置を続けたのですが、女児の患者の胸部で空気の音が小さく聞こえた瞬間、女児は意識を取り戻しました。女児が喉に詰まらせていたものは奥歯の乳歯でした。女児は抜けた乳歯を誤って飲み込んでしまったようです。飛行機が大阪に到着した後、女児はすぐに救急車で病院に向かいました。その後、無事に退院したことが明らかになっています。
大韓航空の客室乗務員は、年に1回、定期安全教育を受けており、応急処置法と心肺蘇生法(CPR)、自動心臓パドル(AED)の使用法を学んでいるそうです。そんな教育が実になったようで、該当の客室乗務員は献身的な応急処置により、腕にあざができてしまったようですが、このまま放置していた場合、女児が脳死状態に陥っていた可能性もあっただけに、称賛の声が相次いでいます。