軍事情報包括保護協定（GSOMIA）破棄などで、日韓関係の悪化が懸念される中、ネット上では若者を中心にある日本人男性の行動に注目が集まっています。
韓国・光化門広場で8月24日に開かれた安倍政権への抗議を示すデモ集会が行われました。
冷え切った日韓関係が続く中、両国の関係の改善を求めてフリーハグを行ったのは、桑原功一さんです。
桑原さんは反日本政府のデモがあった24日、「NO JAPAN」と書かれた紙を持ったデモ参加者が集う中、
「FREE HUG FOR PEACE」というTシャツ姿に目隠しをし、両手を広げてハグを求めました。
両脇に立てたボードには以下のような文字が。
「日本には、日韓友好を願う多くの市民がいます。韓国にも、日韓友好を望む多くの方がいると思っています。私は皆さんを信じています。皆さんも私を信じてくれますか？」
桑原さんは韓国だけでなく、他の国でもフリーハグを行ってきた経歴を持っています。
今回、フリーハグの様子を撮影した動画には、老若男女が桑原さんにハグをする様子が写っています。
韓国人からハグをしてもらうと、桑原さんが「ありがとうございます」「カムサハムニダ」と感謝を伝えます。
すると、意外にも、強く握手を求めたり「がんばれ」「ありがとうございます」と日本語で声をかけたりする人もいたといいます。
中には、「このままだと、お互いあんまりいいことにならない。頑張っていきましょう」と悪化する日韓関係の改善を願うやりとりもあったそうです。
桑原さんはこの日、複数の現地メディアからも取材を受けました。
桑原さんによると当日は、ろうそくを灯した比較的穏やかな雰囲気の集会だったといいますが、
「メディアで報じられているような叫んでいる人はいませんでした。歌を歌ったりするなど、少しエンターテイメント的な要素が織り込まれたデモでした」
としながら、この日は午後6時半から2時間ほど広場に立ったといいます。
フリーハグの反応はよく、年配の人を中心に50人ほどが桑原さんにハグをしてくれたそうです。
桑原さんは取材で、「もちろん不安もありましたが、意外と多くの方にハグしてもらえたので少し驚きました」
「力強くハグしてくることが多かったように思います。『君の勇気に負けた』『ありがとう！』『日本好き！』など、ポジティブな言葉をかけられました」
と、振り返りました。
桑原さんはどうして反日デモが行われる中で、フリーハグを実行したのでしょうか？
桑原さんはフリーハグを実行した経緯について以下のように説明しています。
「伝えたかったのは、こういうデモに参加している人でも、日本人を嫌いなわけではなく、ちゃんと日韓友好を願っているんだということです。それを最大限に表現するために、集会の現場を選びました」
「日本の政権に対して意見を持っている人がいるかもしれないが、それは日本人を嫌っているというわけではないということを証明したかった。彼らは『日本政府』を嫌っているだけなのです」
桑原さん自身、否定的な反応は特段なかったといい、
日韓関係の悪化を伝える報道から受ける印象と、実際の現地の様子には大きなギャップがあることを伝えていました。
「特に安倍さんに対しては厳しい意見を持っているように感じられます。また不買運動も結構徹底していて、日本製品が好きだけれども買いに行けないという雰囲気が社会全体に漂っているそうです。あくまで日本政府、安倍さんに対して意見を持っているようです」
桑原さんのフリーハグは、韓国の現地メディアも報じており、話題になっています。