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伝説の父親・星一徹が厳しかった理由は?


現在は日本のサブカルチャーとして知られているアニメですが、古くは昭和時代からその基本的な形がありました。現在のように爽やかなアニメや清潔な感じのものではなく、もう少し汗臭いストーリーが多かったことが特徴になります。特にスポーツのアニメは人気で、現代でも語り継がれているアニメも少なくありません。
その一つが巨人の星ですが、そこに登場する星一徹は星飛雄馬の父に当たります。非常に厳しいことで有名で、現代ではあまり見ることのないタイプと言えるでしょう。

 

当時の父親でもそこまで厳しくない


写真:dTV

当時のことをよく知らない人は、巨人の星を見た時に昔の父親はあれぐらい厳しかったのかと身震いする人もいるかもしれません。確かにそのような人は実在したかもしれませんが、一般的な父親像ではなく、アニメのためにつくられた父親像になります。そのため、星一徹並に厳しい人が多かったわけではありません。また、ちゃぶ台をひっくり返すのが当時の父親の習慣だったわけでもありません。
しかも、理想とする父親像でもないことはアニメを見ているそうであればわかっているでしょう。一見して厳しい父親こそが父親の本来の姿とも読み取れますが、実際に星一徹は大酒のみでとても理想とする父親とは言い難いでしょう。ちなみに、有名になった巨人の星のアニメではちゃぶ台をひっくり返すシーンが何度となく流されてきたが、原作の漫画の方ではちゃぶ台をひっくり返すシーンは一度もありませんでした。
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写真:ameblo.point 60 | jppoint 62 | 1

そもそもなぜ厳しかったかといえば、スパルタ教育をすることで強いプロ野球選手になりやすいといったことを伝えているわけではなく、そこに描かれている父親と子供の人間ドラマを描きたかったわけです。人間はだれしも親との争いや兄弟との争いを一度は経験します。それを漫画で描くことで多くの人の共感を得ようとしたと考えられます。そのため、息子と父親が仲良いのではなく、異常なまでに父親を厳しく設定しているわけです。

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何のための野球漫画なのか


写真:moonworkers.net

最近の野球漫画は、野球を分かりやすく伝え、その楽しさを読者に伝えることに主眼を置いています。確かにスポーツには、プロ野球やサッカーのように、たとえ勝負に負けたとしても人の心を動かすものがあります。試合をしている本人たちもさることながら、それをテレビや会場に行ってみている人たちにも笑ったり泣いたりすることで感情が揺さぶられるわけです。
そのような喜怒哀楽を味わってもらうために書かれた野球漫画は多いですが、巨人の星は少し趣きが異なります。なぜなら野球を面白くそして楽しく描いていないからです。勝負に勝って悔しいことよりも、星一徹と星飛雄馬の親子の争いが前面にえがかれており、野球の楽しさを少しも見せようとしません。そうだとすれば、野球自体はおまけで父親と子供の葛藤や争いが一番にえがかれていることがわかるでしょう。
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写真:あにめごはん – FC2point 69 | 1

もしその時、父親の行動が世間的な模範になるようなもので子供によく好かれるようなタイプだとすれば、親子の葛藤をえがくことは難しいです。人間関係をえがく以上、どちらかが理不尽にならなければならず、この物語では星一徹が理不尽な人物に仕上げられています。
とはいっても、単に親子の葛藤だけをえがいても面白くありませんので、野球をテーマにした親子同士の葛藤がえがかれていると考えればよいでしょう。特に孤独な人は共感できる部分が多いはずですので一度巨人の星を見直してみましょう。point 301 | 1

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まとめ


写真:kazu88312.blog.so-net.ne.jp

野球の漫画やアニメは世の中にたくさんありますが、巨人の星ほど野球をつまらなく描写している作品は多くないでしょう。巨人の新に出てくる理不尽な父親の星一徹とプロ野球選手になる星飛雄馬の物語は決して野球漫画として語られるものではありません。
父親の星一徹が徹底した厳しさを持っているのは、プロの世界は厳しいといったことも伝えたかったかもしれません。ですがそれ以上に伝えたかったのは、親子関係のはかなさや辛さなどになります。point 296 | 1

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