新世紀エヴァンゲリオンが放映されたのは1995年の10月からなので、今から20年以上も前のことなのですが、現在でもヱヴァンゲリヲン新劇場版という映画シリーズの制作が進められているほどの人気を保ち続けています。それだけの人気を獲得できたのは、この作品が色々な点で画期的だったからだと言えるでしょう。
キャラクターたちが画期的だった
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エヴァンゲリオンという作品の魅力を語る時に欠かすことができない大事な要素が、登場するキャラクターたちの個性です。
この作品はジャンル的に言うとロボットアニメなのですが、主人公の碇シンジはロボットのパイロットとしてはあまりに繊細で、悪く言えば男らしくない少年です。それまでにも機動戦士ガンダムなど、繊細な主人公の登場するロボットアニメはいくつかあったものの、それらの主人公は戦いの中で大きく成長して行く存在でした。しかしシンジは成長しそうになっても、本人の性格や周囲の状況が邪魔をして、テレビアニメでは最後まで大して成長せずに終わってしまいました。そんな彼の心理描写のリアリティは、それまでのアニメにはなかった画期的な部分だと言えます。
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そんなシンジの周囲には複数の魅力的な女性キャラクターがいたのですが、彼女たちもまた非常に個性的です。その中でも最も人気が高かったクールな美少女の綾波レイは、何人ものクローンが存在する、あまりに謎の多い存在でした。
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また、彼女と人気を二分した高飛車な美少女の惣流・アスカ・ラングレーは、実は大きなトラウマを抱えており、彼女にとって辛い出来事の続く終盤には、初登場時の元気さは完全に失われてしまいます。
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そして、シンジたちを導かなければならない上司で、当初は頼りになる大人の女性として描かれていた葛城ミサトは、女性としての弱さを多分に有するリアルなキャラクターでした。
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彼女たちのように、一見定番のようでそうではない女性キャラクターが複数登場したことも、エヴァンゲリオンが画期的だったと言える理由の一つです。
ストーリーや世界観が画期的だった
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エヴァンゲリオンが大変な人気を獲得した理由としては、ストーリーや世界観がとても複雑で、その中に多くの謎がちりばめられていたという点も大きいでしょう。近未来の日本というリアリティの感じられる世界を舞台としながら、SFに宗教的な要素を絡めた難解な世界観が作品全体を貫き、さらに複雑で濃密な人間ドラマがストーリーをより複雑なものにしていました。
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そのように子どもでは付いて行けないようなストーリーが展開されるアニメには、それまでにも伝説巨人イデオンなどの作品がありました。しかしエヴァンゲリオンはそれらの作品以上に、いわゆるアニメオタクの心を惹き付けるようなマニアックな要素をたくさん取り入れていました。さらに、一つの謎がまた次の謎を呼ぶといった謎だらけのストーリーが、きちんと解決されることなく終わってしまうという衝撃的なラストを迎えたことで、展開や設定を深読みして考察するようなファンを大勢生み出したのです。そのようにマニア心を強く刺激する要素が多かったことも、多くの人が見ることが想定されるテレビアニメとしては、とても画期的な点だと言えます。
劇場版の完結編に期待が集まっている
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エヴァンゲリオンのテレビシリーズが終わった後に作られた最初の劇場版でも、残念ながら全ての謎が解き明かされることはありませんでした。その後にリブートという形で製作が開始された新劇場版も、現時点ではまだ完結編が公開されていません。そのため、テレビアニメからのファンを含めた多くの人たちが、その完結編の内容に大きな期待を寄せています。