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    Categories: FOOD

四川料理に欠かせない「花椒(ホアジャオ)」とは?山椒とはまた違うもの?


「花椒」ってどんなもの?


写真:youtube

皆さんは「花椒」というスパイスをご存知でしょうか?最近ではスーパーのスパイスコーナーにも売られているのを見かけるようになりました。実はこれは四川料理に欠かせないスパイスで、最も代表的なものでいうと、麻婆豆腐です。痺れるような辛さにヒーヒー言いながら食べるのが好きという人も多いのではないでしょうか。辛いのにどんどん食べたくなる、魔法のようなスパイスですよね。

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中国原産の「花椒」


写真:www.haoshanpu.com

花椒は「ホアジャオ」と読みます。日本の山椒と区別する意味で、「四川山椒」(しせんさんしょう)や「中国山椒」などと呼ばれることもあります。花椒というのは中国名で、日本語読みで「かしょう」と呼ばれることもあります。熟した花椒の赤い果皮が弾けて割れている様子が、まるで花が咲いているようだということから、「花椒」と呼ばれるようになりました。しびれるような辛味が最大の特徴で、ピリッとしたパンチのある辛みがあります。麻辣豆腐(マーラートウフ)の「麻」という漢字は「痺れる」という意味で、花椒のことを指しています。また、香りは爽やかで風味豊か。四川料理、貴州料理(きしゅうりょうり)、雲南料理(うんなんりょうり)、西北料理などで煮込み料理や炒め物、蒸し料理などに多用されます。風味は非常に強く、特にホールのものをミルで挽くと強烈なほどの香りが広がります。point 451 | 1

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山椒との違い


写真:www.sansyou-en.com

山椒は花椒と同じく、ミカン科サンショウ属の落葉低木。「ハジカミ」とも呼ばれます。原産国は日本で、北海道から屋久島まで、また朝鮮半島南部にも分布しています。日本でも古くから使われてきたスパイスで、縄文時代には既に料理に使用されていたことがわかっています。また、花椒が果皮のみを使用するのに対し、山椒は実、若葉、花、木の芽、幹の皮など、色んな部分が薬味や飾りとして使われます。花椒は熟した実を乾燥させて作るのに対し、山椒は熟す前の果皮を粉末にしたものです。山椒の木の枝はすりこ木としても使用されます。しかし、花椒の強烈な痺れるような辛みに比べると、辛みはマイルド。口の中が痺れる感じも花椒に比べると弱いです。辛みのスパイスとしてよりは、風味をつけるための薬味として使用されることが多いです。ひと振りで、ふわっと爽やかな風味のアクセントをつけてくれます。point 451 | 1

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花椒の主な使い方とは?


写真:ameblo.jp

花椒はピリッとした辛みが特徴的なスパイスなので、辛みの香辛料として四川料理に多用されます。花椒を使う代表的な料理として麻婆豆腐がありますが、あんにも花椒を混ぜ込み、でき上がりには更に上から花椒をかけます。四川料理の麻婆豆腐の味はまさに花椒の味と言っても過言ではありません。また、五香粉(ウーシャンフェン)というブレンドスパイスにも花椒は使われています。シナモン、クローブ、陳皮、スターアニス、花椒の5種類のスパイスをパウダー状にしてブレンドしたものです。炒め物や揚げ物の味付けなどに使われます。怪味(かいみ)ソースという調味料は、日本でも好んで使われることが増えているよう。醤油や豆板醤、胡麻ペースト、花椒などを使ったもので、四川発祥の調味料です。辛み、甘味、酸味などが絶妙なバランスで、蒸し鶏や唐揚げ、豆腐などにかけて食べるとやみつきですよ。唐揚げに花椒塩をつけて食べるのが中国流。粉末にした花椒と塩を混ぜたもので、鶏肉の淡白な味に爽やかな風味とピリッとした辛みがアクセントになって、後引く美味しさです。花椒の風味が唐揚げの脂っぽさを軽減してくれます。花椒を植物油に漬け込んで風味をつけた花椒油も、中国料理によく使われます。料理にかけたり、タレに混ぜたりすると、花椒の風味が楽しめます。point 617 | 1

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花椒を山椒で代用できる?


写真:macaro-ni.jp

どちらもミカン科サンショウ属の植物なので風味は似ているのは事実ですが、味に決定的な違いがあるので、結論から言うと、山椒で花椒の代用はしにくいでしょう。例えば麻婆豆腐に花山椒を使った場合は、口の中に花椒独特の香りが広がり、あの痺れるような辛みがガツンときます。それに対し、山椒を使った場合は、辛みが少なく、ふわっと山椒の爽やかな風味が香る程度です。花椒が好きな人にとっては、山椒を使った麻婆豆腐では風味と辛さの点で物足りないでしょうし、辛い物が苦手なひとや子供には、山椒を使った麻婆豆腐のほうが口に馴染むのではないでしょうか。お好みに合わせて花椒、山椒を使い分けてみるといいでしょう。point 368 | 1

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