皆さんの中にも便秘に悩まされている方もいるかもしれませんが、今回は若年層ではなく、高齢者に増えている便秘の治療法を検討した無作為化比較試験を系統的にレビューしたカナダの研究者による報告が発表されました。
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高齢者の便秘の治療法には、ポリエチレングリコールやラクチュロースを摂取する治療法が、最も効果的であるということが分かりました。これらの薬剤には、腸の浸透圧を変化させる働きがあるため、腸内への水分の分泌を増し排便を促す作用を持ちます。ただし、副作用として(特にラクチュロースでは)腸の膨満感、ガス、下痢を伴うことが時々あります。
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一般的に便秘の時によくいわれる、水分摂取を増やして適度な運動をすることについては、明白な効果は認められませんでした。しかし、便秘改善以外の様々な健康効果が期待できるので試してみるのも良いかもしれないと研究者は述べています。サイリウムのような水溶性食物繊維の摂取は、効果はみられるものの、信頼性の高いエビデンスには欠けていました。古くから生薬として使用されているセンナやカスカラといった刺激作用のある下剤も有効であったが、長期間続けると効果が低くなる可能性があるようです。point 302 | 1
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同時に、研究者は高齢者の便秘改善方法について9つのステップを踏むようよびかけています。これは症状の兆候を察知することや、原因を探ることも含まれます。また、行動の改善、食事の改善、いくつかの種類の下剤を試し、それでもだめなら胃腸科専門医あるいは(高齢者なら)老人病専門医を紹介するといった手順です。加齢とともに便秘を訴える者は増えてきますが、便秘は健康を脅かす原因となったり、QOLの低下を引き起こします。体力の低下している者が無理にいきめば、脳や心臓への血流が制限され、卒倒して怪我をすることもあります。またひどい便秘が吐き気、食欲減退、腹部痛といった症状によって身体機能を低下させる可能性は高いでしょう。point 370 | 1