街中で威圧的なオーラとその鳴き声から、不気味な印象が強いカラスですが、実際に「カラスの死体を見た人はいない」などの都市伝説が数多く存在していることから、謎めいたイメージが強いのかもしれません。ある日、そんなカラスが街の通りに佇んでる姿を捉えた動画がTwitterに投稿され、その不思議さにネット上では話題となっています。
朝から衝撃をありがとう。
心臓に悪い、 pic.twitter.com/fDlOGiumD6— LIWJATAN (@keita_simpson) June 20, 2019
衝撃的な動画をTwitterに投稿したのはLIWJATAN@keita_simpsonさん。6月20日にこの不思議なカラスを発見し、置物だと思い近づいてみると首が動いていて、生き物だと認識してかなり驚いたと当時の様子を振り返りました。そこで、目を凝らしてみると、カラスということが分かり不思議な体勢だと思って、動画を撮影したといいます。「朝から衝撃をありがとう。心臓に悪い、」というコメントとともに、すでに1000万回以上動画が再生されている動画には、足が見えないカラスの姿が映っています。
左右の翼を降ろしていることは想像できますが、体の下にぽっかり空いた空間がさらに謎めいていて、少し恐怖を感じさえします。また、カラスの足がこんなに長かったのかと錯覚を覚え、まさか羽の力だけで体を支えているのか気になります。
この少し不気味なカラスの動画に、Twitterでは「まじで理解できないどうなってんだ」「謎が解けないんですが」などの驚きの声が上がっていて、約11万件のリツイート、約25万件のいいねがつく大きな反響となっています。
そこで、この見たこともないカラスの体勢は一体どうなっているのか専門家に話を聞くことにしました。宇都宮大学農学部名誉教授杉田 昭栄教授は、20年以上カラスの研究をしていて、カラスの生態に詳しいということで、まずカラスの体勢について質問しました。
記者:カラスはどんな体勢だと考えられる?
教授:両側の翼が、肩を落とすように下げている姿勢。翼の先、我々の手掌にあたる部位は地面についている様子。尻は少し上がっている感じ。
記者:足はどうなってる?
教授:足は翼に隠れているか、つばさと足が黒く一体に見えているかです。全体として足にみえる内側は脚の一部かもしれません。
脚とは大腿部(人間の太もも:カラスはたいてい地上ではおりたたまれた羽に隠れてます)から爪までです。
一般に脚は大腿部の下(羽毛がなくうろこ状の皮膚の部位)のことをいいます。カラスの左脚が内側下部に爪の一部がみえてるような気もします。ADVERTISEMENT 記者:羽だけで支えているとしたら、羽にそんな力はある?教授:支えていないと思います。下に着いていますが、それで支えてはいないでしょう。
記者:どういう時にカラスはこの体勢をとると考えられる?教授:あまり見られる姿でありませんので分かりませんが、相当にリラックスで肩の力というか翼をだらんとさげているのかもしれません。
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記者:このような体勢をしているカラスは珍しい?
教授:珍しいと思います。私は、見たことありません。
記者:この体勢はカラス特有のもの?
教授:そうとも言い切れません。おそらく、他の鳥でも体のつくりからしたら可能でしょう。ADVERTISEMENT
このカラスは、リラックス状態により羽をおろしているようですが、朝からこんな不思議な体勢をとるカラスを目撃してしまうと、さすがにビクッとなってしまいますね。この写真がカラスの貴重な瞬間を捉えた奇跡的なショットだったのかもしれません。