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普通のビールと何が違うの?第三のビールの知識


第三のビールは今や大人気で、本来のビールと比べると、どちらがビール?と判別がつかないくらいの味になってきたように感じます。本来の「ビール」の定義は、麦芽とビール酵母、香り付けの元となるホップと水で造られています。このときの麦芽使用率は67%以上でアルコール度20%未満という基準があります。


写真:lawson.co.jp

日本ではビールは明治時代に普及し始めて、戦後あっという間に日本酒を抜き、手軽に酔える飲み物のトップになりました。以来、順調に国内経済が伸びて、ビール消費も比例するように伸びていきました。昭和時代などは会社の飲み会などは、まずはビールで乾杯ということが多かったもので、今も、とりあえずビールという風潮は残っていますね。

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写真:ryotarotakao.com

その後、平成に入り突然と言ってもいいくらいのバブル崩壊後、長期デフレに入り、停滞した経済状態となって給与が下がり、庶民は「酔う手段」をより安価な焼酎などに求めたのです。ビールメーカーは企業努力で、酒税が安くて、ビールのような風味・飲み心地の発泡酒を発売し、少しでもビールファンの期待に応えようとしました。

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写真:so-net.ne.jp

発泡酒は今でも販売され一定のファンがいて、今では第二のビールと呼ばれています。ビールの原料である麦芽の使用比率を25~67%に下げて、かかる酒税と高価な麦芽を他の原料に変更することで、製造コストを大幅に下げることに成功、販売価格を大きく下げることができました。価格が下がったことでよく売れ、味はビールとは厳密には異なっているけれど、アルコール度数はほぼ同じでしたので、消費者からは一定以上受け入れられました。point 269 | 1

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写真:hiratayoshihiro.com

ビール離れを起こし始めていた世の雰囲気を、ビールメーカーの企業努力で元に戻した格好でしたが、発泡酒の味が本来のビールに近づいてきた頃、発泡酒についても本来のビールと同じくらいの税金を国がかけるようになりました。それを販売価格に反映させざるをえないという頃、今度は麦芽使用率0%のビールをメーカーは開発、発売しました。

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写真:hibishinbun.com

酒税法では麦芽使用率に対して課税するので、これで税金分を販売価格に上乗せさせることはできません。麦芽の代わりにエンドウ豆、大豆、トウモロコシなどを用いて、ビール風味に仕上げてあります。アルコール度数も本来のビール以上のものもあって、酔い心地は第三のビールのほうが好きだというファンもいます。麦芽を使用していないのですから、これはもはやビールとは呼ばれるものではないかもしれません、というか、分類はビール類ではなく、リキュールとなりますね。point 287 | 1

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写真:goo.ne.jp

このように、「ビール」は、さまざまな原料を使って形を変えてきた経緯があります。今では、やはり「本来のビール」はうまい、ちゃんと麦の風味があるというビールファン、いや、第三のビールと呼んでいるが、これは炭酸を使ったアルコール飲料で自分はこの飲み物のファンだ、という良い棲み分けがなされている感じがしています。第四、五のビールは今後、開発・発売されるのでしょうか?

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