かつての日本では非常に高い経済成長を行っており、世界でも有数の経済大国と考えられていました。世界中の国の中でどのくらいの経済力を持っているのかの指標であるgdpでも日本は世界最高水準の国という実情があったのです。しかし日本では長い期間不況でしたし近隣のアジアの国が経済力を伸ばしてきたこともあり、相対的に経済力は弱まってきていると考えられています。世界中の経済大国と比較して現在の日本の経済力はどうなっているのかについて詳しくみていきましょう。
そもそもgdpとはどういった指標か
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各国の経済状態を表す指標の一つとしてよく耳にするのがgdpですがそもそもこれは一体どういうものなのかということなどについて、まずは詳しく解説を行っていきます。
GDPとは日本語に翻訳すると国内総生産と呼ばれるものでもともとはGross Domestic Productという単語を省略した言葉のことを指します。
一定期間(主に一年間)に国で生み出されたサービスや商品の付加価値の総額を示す指標であり、簡単に言い換えると「A国という国においてA国民がA国内で一年間に全員でどのくらいお金を稼いだのかの総額」と表現できます。
一般的にgdpの数値が高い国ほど稼ぎの良い国と言い表すことができますし、数値の算出方法については基本的にはどの国でも同じなので数値を比較することで他の国と比較してどのくらい儲かっているのかということやどのくらい経済が安定しているのかということを調べることができます。
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なお似たような指標でありよく混同しがちな指標としてGNPという指標もあります。GNPは日本語に訳すと国民総生産となりこちらは一定期間に国民よって生み出された商品やサービスの付加価値の総額を示す指標であり、海外での生産活動によって得られた利益も含めて付加価値を算出している点がGDPとは異なっています。GDPとGNPについて混同しないように気をつけましょう。
gdpが最も高い国と日本との差は
2016年の各国のgdpの数値を比較してみますと、世界の第一位はアメリカであり数値はおよそ18兆6000億ドルとなっています。アメリカは人口でも世界三位となっており国民一人あたりのgdpをみてみますと世界で第三位となっています。
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2016年にアメリカに次ぐgdpの数値を出して世界第二位となったのが中国です。中国の数値はおよそ11兆2000億ドルで国民人口の多さがgdpに大きく反映されていると考えられます。そのため国民一人あたりのgdpの値は大きくランキングを下げて七十四位となっています。
そして世界の第三位が日本となっています。日本のgdpはおよそ5兆ドルで国民一人あたりの数値では世界で二十二位となっています。
こうして世界ランキングを確認してみますと、日本はかつて程の勢いこそ失われてしまったものの、世界レベルでみてみればまだまだ世界有数の経済大国であることがよくわかります。ちなみに日本に次いで世界ランキング第四位となっているのがドイツであり、さらに第五位にイギリスが続きその後は第六位にフランス第7位にインドという具合になっています。
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ヨーロッパ屈指の経済大国といわれているドイツよりも順位が上というのは十分に誇れることだと考えられる一方で、一位のアメリカや二位の中国比較するとgdpには倍以上の差があることがよくわかります。
まとめ
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日本はかつてと比べると経済力が弱まってきていると言われていますが、それでも世界基準でみると立派な経済大国であり、gdpのランキングをみてみても世界で第三位となっています。一方で第一位であるアメリカや第二位である中国と比較をするとgdpの数値は桁が一つ違ってきます。アメリカや中国とは人口が違いますし少子高齢化が進んでいるため、この差を埋めるのは簡単ではありませんが、国人一人一人の経済行動の付加価値を高めることでgdpの差を縮めることは可能と考えられます。