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業務内容が明確に違う!理容と美容の違いまとめ


理容室と美容室は、結婚式やイベントなどへ出席をする前のヘアセットや、髪型を変えて気分転換をしたいときなどによく利用されています。この2つの店のスタッフがやっている仕事には類似したところが多いことから、理容と美容は似たようなものだと考えている人は大変に多いですが、調べれば明確な違いがあることがわかります。

 


写真:ameblo.jp

国語辞典では、理髪と美容の2つをまとめた言葉として理容が定義されており、美容は理容に包含される概念といえます。しかし、日本の法律では、理容の定義は頭髪の剃りこみや顔剃りなどの方法によって対象の容姿を整えること、美容の定義は結髪や化粧、パーマ、メイク、ネイルなどの方法を用いて、施術前より対象者の容姿を美しくすることとなっており、明確に区別されています。巷では、男性が髪を切りに行くところが理容室(床屋)で、女性がヘアースタイルを整えにいくところが美容室(ビューティーサロン)であると区別している人が少なくありませんが、前述の通り、これら2つの店は性別の違いによって分かれているわけではないため、巷で流布されている区別の仕方は誤りです。point 385 | 1

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写真:kitahon.jp

理容と美容で定義が異なるということは、当然業務内容においても違いがあるということにもなります。理容師と美容師の業務内容の最大の違いはカミソリをつかった顔剃りができるかどうかで、この作業ができるのは理容師だけです。美容師は、対象者に化粧を施す際に軽く剃る程度であれば認められていますが、それ以外の目的で顔剃りを行うことは禁止されています。

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写真:ameblo.jp

かつてはパーマやカッティングについても明確な規制が定められていました。パーマについては、美容師には特に制限が設けられていませんが、理容師は男性客に対して仕上げとして行う場合に、頭髪の刈り込みに付随する行為の一環として作業をするのであれば認められていましたが、それ以外の目的で客にパーマを施すことはできませんでした。カッティングについても規制内容に違いがあり、理容師は誰にでも施すことができましたが、美容師は女性客に対しては制限がなく、男性客に対してはパーマや結髪などの行為に付随するものでなければカッティングを行なえませんでした。この規制は1978(昭和53)年12月に当時の厚生省が出した通知の中で定められていたものですが、その後の社会・風俗の変化によってこの規制がふさわしいものではなくなったことから、2015(平成27)年7月に厚生労働省が規制を廃止する通知を出しました。今日では理容師も美容師も、客の性別や目的に関係なく、カッティングやパーマを自由に行うことができます。point 507 | 1

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写真:tenpodesign-g.com

両者では技術面においても違いがみられます。特にカッティングにおける技術の違いが顕著で、理容師は正確さに優れていて、美容師は仕上がりのデザインに優れているといわれています。また、カッティングする際に使用するハサミについても、理容師は美容師より長めのものを好んで使う傾向にあります。

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写真:ibanavi.net

理容師や美容師が勤める店舗はいずれも、保健所に開設の届出を行い、その後の書類審査や現地調査によって建物や設備などが法律や条例で定められている基準をクリアしていると判断されれば、基準適合証が交付されて営業をはじめられるようになりますが、この開設基準にもいくつか違いがあります。最もよく違いがあらわれているのは椅子1台あたりの作業面積で、床屋は顔剃りの作業をすることが多い都合上、ビューティーサロンより広いスペースを確保しなければなりません。これは、見方を変えれば、床面積が同じであれば、ビューティーサロンの方が床屋より多くの椅子を設置することができ、一度に多くの客を受け入れることができるということでもあります。point 375 | 1

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