歯医者さんとほかの医院との一番の違いは椅子に「固定されること」です。内科とか外科の場合は椅子に固定されることはありません。しかし、歯医者さんは椅子に固定され動くことができない状況になります。これが一番の違いで、そして悩みでもあります。もちろん人によってはなにも感じない人がいるでしょうが、多くの人は椅子に固定され、しかもお医者さんに歯の中を見られるわけですから緊張しないはずがありません。そのときに困るのが目の状態です。目は「開く」のが正解なのか「開かない」のが正解なのか。それが問題です。
目を開いた状態のときに起きること
写真:クレプラ
歯医者さんでは椅子に固定されるのですが、この状態自体が緊張の原因となる人がいます。このような人は「動けない」ということ自体がプレッシャーになるのですが、「動けない」ことで緊張を和らげたりほぐしたりする所作ができないからです。例えば、首を左右に倒したり肩をすぼめたりなど肉体を動かすことで緊張を解くことができます。それができない状態が椅子に固定された状態です。ですから、余計に緊張することになります。
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そのような状態のときに目を開けていますと、周りの景色や状況がわかることになります。景色や状況がわかる分には問題はありませんが、歯医者さんの視線という問題があります。「アイコンタクト」という言葉がありますように、人は「目」で意思を伝えることができます。つまり、目で話すことですが、歯医者さんと視線が合うということは意図せずになにかを話しかけていることになります。これは困ることです。別に話すつもりもないのに相手に話していることになるのですから相手も困ります。
下手をしますと、勘違いをされることもあります。口の場合は言葉がありますので自分の意思を明確に伝えることができますが、目の場合は自分の意思を正確に伝えることはできません。目でのコミュニケーションには相手側の感性も大切になってきます。感性が同じ人であるなら問題はおきませんが、もし感性が違う人であったなら間違った意思を伝えることになる可能性もあります。
目を開けているときはそのことに注意する必要があります。
目を開かない状態のときに起きること
写真:京極歯科
人が緊張するのは他人がいるからです。もっと正確に言うなら「他人の視線」が気になるからです。歯医者さんで椅子に固定されるということは他人の視線を一身に浴びることになります。なにしろこちらは動けない状態なのですから、相手の視線から逃れることはできません。ですから緊張の極みに陥ることになります。
その緊張を避ける方法として目を「開かない」という手段があります。「開いていない」のですから見ることができず、それは即ち他人の視線を意識せずに済むことになります。ですから、歯医者さんの椅子に座って緊張するのが嫌いな人は「開かない」のが一番の方法です。
しかし、人には想像力というものがあります。これが困りものです。しかも「開かない」状態というのは想像力が最大に発揮される状態です。なぜなら、真っ暗ですのでほかにすることができず想像力を働かせるくらいしかやることがないからです。しかも、そのときの想像力は「開いている」ときよりも優れているものです。
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想像力が優れていますと、いろいろなことが頭の中に浮かんできます。これが難点です。いろいろなことにはまじめなこともありますが、それよりは面白いことやエッチなことが頭に浮かぶのが普通です。人間の性と言いますか、不思議と想像力というのはそういうものが多いのが特徴です。
そうなりますと、自然と表情が緩んだりするものですが、その表情を歯医者さんに見られているという不安が頭をもたげます。それが違う意味での緊張感になります。結局「目を開かない」状態でも緊張する羽目になってしまいます。
まとめ
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これまで説明してきましたように目を「開いた」状態でも「開かない」状態でも緊張することに変わりはないようです。そうなりますとどちらでもよいことになりますが、そうであるならばマイナス面が少ない方法を選ぶやり方も一つの考え方です。
アイコンタクトが苦手な人は歯医者さんに無用な誤解を与えないように「開かない」ほうを選択し、想像力が豊富な人は変な表情で誤解を与えないように「開く」ほうを選択するのがベストと言えそうです。