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備えておきたいけどいつ来るの?南海トラフ地震の知識


時々テレビや新聞などで、「南海トラフ地震」という言葉を耳にすることがあります。南海トラフ地震とは、東海地方から九州にかけての太平洋側の海底で発生する巨大地震のことです。この地震は昔から知られていて、千年以上も前から地震が起こった日付や規模についての記録が残されています。現存する最古の記録によれば、西暦684年11月26日にマグニチュード8を超える地震(白鳳地震)と大規模な津波が発生しています。ちなみに7世紀は古墳時代末頃で、地方ではまだ古墳とか埴輪が作られていたような時代でした。その後も何度も大地震が発生しています。いずれも地震の規模はマグニチュード8~8.

4で、太平洋の海岸に面した地域では大規模な津波が発生しています。


写真:kyoto.lg.jp

南海トラフ地震が来てから次の地震が来るまでの期間ですが、過去の記録によると長い時で約260年、短い時では90年です。白鳳地震から1361年7月26日に起こった正平地震までは次の地震が来るまでに200年以上の期間が空いていましたが、それ以後は100年前後に縮まっています。684年の正平地震以降で地震が来るまでの期間が長かったのは1498年9月11日の明応地震までの137年間と、1707年10月28日の宝永地震と1854年12月23日の安政南海地震の間の147年間の2つだけです。point 336 | 1

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写真:abcrin.com

これら以外はいずれも90年から106年後に次の大地震が来ています。特に短かったのは安政南海地震と1944年12月7日の昭和東南海地震の間で、90年しか経っていません。ちなみに2017年は、最後に発生した昭和東南海地震から73年目で、あと17年で前回の昭和東南海地震から90年目になります。過去の記録を見る限りは、次の南海トラフ大地震が来るまでに20年程度の期間が残されていることになります。

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写真:mlit.go.jp

次に南海トラフ地震が来るまでに20年前後の期間が残されているかもしれませんが、南海トラフ地震が近づくと高い頻度で西日本や九州の内陸部で直下型の大地震が発生することが知られています。例えば、昭和東南海地震の前年の1943年に鳥取でマグニチュード7.point 186 |

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2の大地震(鳥取地震)が起こっています。もしもあと17年後に南海トラフ地震が来るとすれば、それまでに東海から九州にかけての内陸部で直下型の大地震が何回か起こる可能性があります。実際に1996年には阪神大震災が、2016年には熊本大地震が発生しています。このため南海トラフ地震だけでなく、直前に発生する大地震に対しても備えをしておく必要があります。point 173 | 1

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写真:wikimedia.org

太平洋の海底で発生する南海トラフ地震そのものは、すぐに来るとは限りません。それでも南海トラフ地震が近づくにつれて、内陸部で起こる直下型の大地震が来る可能性が高くなります。内陸型の地震はいつ起こっても不思議ではありませんし、津波の被害を受けない内陸の地域でも大地震の被害に遭う恐れがあります。

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写真:ruho.com

そのため、東海地方から九州にかけての地域に住んでいる場合は、南海トラフ大地震だけではなくて連動して発生する大地震に対してもきちんと備えをしておくようにしましょう。

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