飼い主は、かわいがるため、やさしくするために小動物を飼っているのではないのでしょうか。飼い主による動物虐待という、何ともやるせない事件の話題がまた1つ伝えられてしまいました。いつになっても聞くに耐え難い動物虐待のニュースが絶えないことに憤りを感じます。
衣類乾燥機に
アメリカで今、小犬を虐待する黒人の若い女の動画が注目を集めています。飼い犬であろう1匹の小犬を自宅の衣類乾燥機に無理やり突っ込み回転させるもので、床に置いた携帯電話で撮影された動画がソーシャルメディアに公開され、波紋を広げていたのです。
小犬を呼び寄せると衣類乾燥機のフタを開け、その小さな体を抱き上げて中に放り込みんだ女。フタを閉めるとともになぜか本人が絶叫し、電源を入れ乾燥機を作動させました。ガタンガタンという異音と揺れは、中で小犬が回転しているからでしょう。手を叩きながらそれに爆笑していた女でしたが、6~7秒後には乾燥機のフタを開け小犬を解放。小犬はヨタヨタしながらもリビングに走って逃げ、テーブルの下で小さくなってしまったのです。
女は飼い犬に対して日常的に虐待行為を重ねていた可能性があるようです。その身元を特定するべく動物愛護団体PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)と警察が調査に乗り出し、その結果、テキサス州デントン郡のルイスビルに暮らす10代の少女であることが判明しました。その少女に関する情報は一切公開されていませんが、厳しい事情聴取が行なわれているもようです。テキサス州動物虐待防止協会(Society for the Prevention of Cruelty to Animals of Texas)は州メディア『CBS DFW』の取材に、起訴される可能性が高い事例であることを伝えています。
このような若い飼い主によるペットへの許しがたい虐待致死傷事件。別の見方をすれば、ほかの家族がどんなにかわいがっても1名が虐待するようであれば、その犬は決して幸せとは言えないでしょう。
たとえば2018年8月にも同様の事件がアルゼンチンで起きていました。女が飼い犬のウエスト・ハイランド・ホワイトテリアをドラム式洗濯機に閉じ込めて撮影したのです。その動画をソーシャルメディアに投稿したもので、大変な批判を浴びると女は「普段は本当によくかわいがっている」と愛犬家を主張していました。ただし、その事件の動機についてはインスタグラマーとして注目を集めたかったからだとみられています。
同じ命
怒りが湧いてくるこうした事件。しかし、いざ世間で調査をしてみると「ペットを虐めたことがある」という質問に対し「ある」と回答する人がいるのが現状です。人間も動物も同じ一つの命に変わりはなく、人と同じように感情を持ち、嬉しいこと、嫌なこともあります。決して人間に弄ばれるために飼われている訳ではないのです。自分の命と同様、家族と同様に必ず大切にし、どうかたっぷりとかわいがってあげてほしいものです。