7月５日午後４時５０分ごろ、埼玉県所沢市久米の住宅の玄関先で、同市立中学校２年生の本郷功太郎さん（１３）が血を流して倒れているのを訪れた同じ中学の同級生が見つけ、近くに住む男性が「中学生の男の子が腹と口から血を出し意識がない」と１１９番通報しました。
本郷さんは救急搬送されたが、同日未明に死亡が確認されたことが明らかになっています。
埼玉県警によると事件翌日の６日、殺人未遂の疑いでこの住宅に住む同級生の少年（１４）を逮捕したことを報告。逮捕された少年は、「刺したことは間違いない。教科書のことでけんかになった」と容疑を認めているとのことです。
事件が起きたのは５日午後４時５０分ごろでした。本郷さんと同じ学校に通う逮捕された少年は、所沢市の自宅で本郷さんの腹などを刃物で刺して殺害しようとした疑いがもたれています。
少年は当初、本郷さんが「自殺した」と説明していたといいますが、その後刺したことを認めたそうです。そのため、埼玉県警は殺人容疑に切り替えて詳しい経緯や動機を調べている。また、事件当時、自宅には同居する少年の祖母もいたことが明らかになっています。
この事件を受け、同校の校長が6日、記者会見しました。校長は、「現時点で2人の間にトラブルがあったとは聞いていない」と話しています。
また、校長によると、2人は同じクラスで共に卓球部に所属していたことが判明。どちらの少年も性格はおとなしかったようで、このような事件があったことに驚きを隠せない様子を見せました。
本郷さんの隣のクラスの女子生徒（13）は「2人は一緒のグループで仲良し。部活も一緒で、明るくてよく話していた。（男子生徒は）怒ったりするように見えなかった。教科書のことで刺すなんて」と驚いた様子で話していることが明らかになっています。
この事件があった５日は、週明けの8、9日に行われる定期試験の勉強をするため、放課後に数人が男子生徒宅に集まる予定だったとみられています。
学校側は、8日に全校集会を開き、生徒に経緯を説明する方針だといいます。市教育委員会はスクールカウンセラーや臨床心理士を派遣し、生徒の心のケアに当たるとも報告しています。
そして、被害者となった本郷さんの母親は県警を通じ、「大切に育ててきた息子との突然の別れがいまだに信じられません。なぜ、息子がこのようなことに遭わなければならなかったのか、ただただ悔しく、許せない気持ちでいっぱいです」とするコメントを出しています。