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「ニワトリ」「ウサギ」が 小学校の飼育小屋から消える?…なぜ!?


生き物係が 校庭の片隅にある飼育小屋で ニワトリの世話をしている …
こういった光景は一昔前は当たり前だったが、無くなりつつあることが 大手前大学・中島由佳准教授の調査で 明らかになりました。

www7b.biglobe.ne.jp


動物を飼育しない小学校が増加傾向?

中島准教授は、“2003年~2012 年”と“2017年~2018年”における小学校の動物の飼育状況を比較しました。「動物を飼育はしていない」と答えた割合は、“2003年~2012 年”の6.6%に対し、“2017年~2018年”は14.2%。約8%増加したことが 分かったのです。

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FNN.JP(中島由佳准教授)

 

ニワトリを飼育している小学校は半減

具体的に飼育している動物については、「鳥・哺乳類」が“2003年~2012年”には86.4%あったが、“2017年~2018年”には49.1%と減少。一方で「魚・両生類、昆虫」は、“2003年~2012年”は13.6%だったのが、“2017年~2018年”は50.9%となり、こちらは大幅に増加しています。

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FNN.point 54 | JP(中島由佳准教授)

飼育している動物の割合をさらに詳しく見ていくと、「ニワトリ」は“2003年~2012年”には11.point 114 |

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9%あったが、“2017年~2018年”には5.point 24 | 9%となって半減。「ウサギ」も “2003年~2012年”には26.point 57 | 5%あったが、“2017年~2018年”には21.point 82 | 1%に減少しています。
一方で、「メダカ・魚類」は“2003年~2012年”には31.point 124 |

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8%だったのが、“2017年~2018年”には55.point 26 | 2%となり、大幅に増加しているようです。point 46 | 1

FNN.JP(中島由佳准教授)

こうした状況になっている理由について、中島准教授は「2004年以降に流行した鳥インフルエンザの影響があったのではないか」と分析。厚労省のHPでは、「鳥インフルエンザは、トリに対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスのヒトへの感染症」と説明しています。

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しかし、“鳥インフルエンザの影響”で「ニワトリ」はまだしも「ウサギ」まで減少しているのはなせなのか? 大手前大学現代社会学部の中島由佳准教授に詳しく話を聞くと…

 

児童にうつる?万が一を恐れ、飼育が減少

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「 日本では、鳥インフルエンザが人に感染した症例は報告されていません。しかし、ニワトリなどが鳥インフルエンザに感染し、そこから児童にうつるという“万が一の可能性”を恐れて、飼育が減少したと考えられます。
また 鳥インフルエンザの流行以降、動物の飼育において教員の負担が増大した点、また「安全・安心」の担保や説明責任が重要な世の中となったことが大きいと感じます。動物の世話、特に“長期休暇中の世話”は、鳥インフルエンザの流行以降、児童から教員に比重が移りました。point 227 | 1

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厚生労働省

2004年の鳩貝太郎さんによる調査では、“長期休暇中の世話”は「児童が当番で世話」が26.4%で最多だったのに対し、私の2017年~2018年の調査では「児童が当番で世話」が18%に減少。「教員が当番で世話」が57%で最多となっています。

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これは、鳥インフルエンザの脅威が去った後も、アレルギーや感染への懸念、長期休暇中の学校への行き帰りでの事故などへの懸念などを排除するために、動物の飼育を避けたり、長期休暇中の動物の世話を教員が担ったりするようになったためだと思われます。
このように、心理的にも仕事量の面でも教員の負担が大きくなり、新たに動物を飼うことができにくくなった面があります。」

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一方で「メダカ・魚類」を飼育は大幅に増えている?

point 30 |
AMAZON.point 87 | CO.point 90 | JP

「メダカは、小学5年生の理科の教材として学習指導要領に示されているため、多くの小学校で飼われている事実があります。
2017年~2018年の調査では、教材として飼われているメダカも「飼育している動物」としてカウントしました。
しかし、子どもたちにとって、教室のメダカは「理科の教材」であり、「学校で飼われていた」という意識が乏しいのかもしれません…」point 265 | 1

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学校での動物飼育は今、曲がり角に?

「今の日本では、動物を飼っている世帯は約3割で、その約80%が室内飼い。子どもたちが動物との触れ合いや世話を通して、思いやりの心を育む機会はどんどん減ってきています。

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動物との接触から生じる児童へのリスクを恐れるあまりに、学校での動物飼育がなくなっていくと、抱いて温かく、愛着を感じやすい「鳥・哺乳類」と触れ合う機会が子どもの生活から失われてしまう。

動物との触れ合いを通して、“命の大切さや思いやりを学ぶこと”と“教員の負担の軽減”。これらをどうすれば両立できるのか。「学校での動物飼育」は今、曲がり角に来ていると感じます… 」

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児童が動物と触れ合う機会を増やしていくためには?

「「小学校を地域がどうサポートしていくか」が一番のカギだと思います。学校の先生たちは、日々の多忙の中で、動物が快適に暮らせるよう、飼育にあたる児童とともに心を砕いています。

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(1)動物が快適・幸せに生活できる質の高い飼育環境を確保しつつ、(2)教員の負担も軽減して、(3)子どもたちも動物との触れ合いによって命の大切さを学ぶ。
この3つを満たすためには、小学校を取り巻く地域のサポートが必要です。

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滋賀県獣医師会

具体的には、学校が保護者や地域の方たちに相談をしたり、協力をお願いしたりできる体制を作っていくこと、校区の獣医師や動物園などの施設が、動物の貸し出しや管理・世話の手助けをするなどが、考えられます。学校を支えていくことが重要なのではないか。そう考え、道を模索しているところです…」

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小学校を取り巻く地域のサポートなどの必要性が 理解されることで、児童が 命の大切さを学ぶ機会を残してほしいものです。

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