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【閲覧注意】ブツブツ恐怖症「トライポフォビア」の原因が遂に判明した!


トライポフォビアとは?


写真:matome.naver.jp

「トライポフォビア」は、小さな穴の集合体に対して嫌悪感や極度の恐れを抱く心理状態だ。日常で、なにげなく目にするスポンジの穴、蜂の巣、ハスの花托(かたく)、はては石鹸の泡やコーヒーカップに浮かぶ細かい泡まで気色悪いと感じるらしい。つまり「自分でもなんだかよくわかんないけど、とにかく、あの穴の密集がキモい!」という理不尽な感情に振り回されてしまうのだ。ちなみに、トライポフォビアは正式な病名ではない。2005年に、ギリシア語の「trypo(穴掘り)」と英語の「phobia(恐怖症)」を組み合わせて作られた造語だという。point 327 | 1

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トライポフォビアの原因


写真:karapaia.com

トライポフォビアの原因については、以前から「人類が進化していく上でのDNAによる刷り込み」というのが有力な説だった。たとえば、海中で妖しく光るヒョウモンダコは、一見美しいが、実際は「殺人ダコ」の異名を取る猛毒生物だ。あの蛍光ブルーの輪模様を見たら、本能的に近づいては危険! とアラームが鳴るようプログラムされているという。脅威を感じる対象は、より微小なものではないかという新説が浮上してきた。英ケント大学の心理学研究チームは、科学誌「Cognition and Emotion」に「トライポフォビアの原因は、寄生生物や伝染病に対する深層での恐怖」と発表したのだ。point 355 | 1

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研究課程


写真:www.j-lab.tech

本研究は、トライポフォビアサポートグループのメンバー300人と、比較群としてトライポフォビアではない大学生300人が参加して行われた。まずは16枚の写真が用意され、うち8枚は病気に関連した写真(湿疹痕、疱瘡痕、ダニにかまれた痕など)、残り8枚は病気とは無関係な写真(ハスの花托、レンガの壁にドリルで開けた無数の穴など)で、被験者たちの反応を調べた。両グループとも病気に関連した写真を見せられると気分が悪くなったが、病気に関係のない写真については、トライポフォビアのグループだけが「強い嫌悪感を覚え、理屈抜きに身体が拒絶反応をしてしまった」としている。中には、痒くなった、肌の上を何かが這いずり回る感じ、虫に刺された感覚を訴える者もいた。point 389 | 1

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写真:noizear.com

この結果から、小さな穴やブツブツの集合体に恐怖心をもつ人は、潜在的に寄生虫や伝染病に著しく不安を感じている可能性が大きいというのだ。天然痘、はしか、風疹など伝染病の多くは皮膚に発疹、すなわちブツブツの集合体を引き起こす。また、外寄生生物であるダニ、ウマバエなどにかまれたときも同様で、皮膚に小さな穴があき、斑点が密集する。これらが日常で目にする“よく似た形状”に対して「感染源となりうるもの」と認識され、過剰な生体反応を引き起こしているのではないかと結論づけている。point 297 | 1

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ブツブツに恐怖心を抱く人たち

最近では、トライポフォビアに関する画像や動画はあちこちで目にする。なぜ、人はこれほどまでこの恐怖に取り憑かれるのだろう。苦手なものに慣れるための嫌悪療法のつもりなのか、それとも怖いもの見たさなのか――。なお、トライポフォビアは今、男性の10人に1人、女性の5人に1人といわれている。

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