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車いす対応バスで運転士が「次に乗ってくれ」と車いすの男性を乗車拒否!その後のバス側の対応は….


帝産湖南交通(滋賀県草津市)の路線バスに乗ろうとした車いすユーザーの男性が運転士に「乗車拒否」されたとして、同行していた女性が対応の改善を訴えました。

男性らは車いす対応のバスを利用するためにバスを待っていましたが、運転士からは「次のバスに乗ってくれ」といわれたといいます。次のバスが来たのも40分以上後だったと明かしており、ネット上で物議になっています。

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j-cast.com

車いすの男性と同行していた女性は、「車いすユーザーのお客さんに不利益を強いていることを認識していない」とバス側の対応を問題視しています。

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では、バス側の対応はどうなのでしょうか?…..

該当するバスの運転士に話を伺ったところ、「不適切な言い方だった」と供述しており、当時、バス乗り場で何が起きていたのか状況が明らかになってきています。

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mac550tk.blogspot.com

車いすの男性に同行していた女性、障害学が専門の龍谷大学非常勤講師・松波めぐみさんは、2019年7月3日、自身のツイッターで、「乗車拒否にあった」と投稿しました。

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この日は、NPO法人障害者自立生活センター・スクラム(大阪市)のスタッフで、脳性まひのため車いす生活を送る酒井建志(けんじ)さんをゲスト講師に招いており、酒井さんと介助者との3人で、帝産湖南交通が運営する帝産バスに乗ろうとしていたといいます。

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oo24n.jp

松波さんたちが乗車しようとしていたバスは、大津市の瀬田駅から大学に向かうバスで12時1分発でした。

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ところが、運転士からこのように言われたといいます。

「車いすで乗れるバスは決まっている、次のバスに乗ってくれ」…….。

そして、運転士から車いすユーザーが乗車できる設備のある「ノンステップバス・ワンステップバス」のみのダイヤが書かれた時刻表を提示されたそうで、見てみると次のバスが来るのは12時46分。40分以上待つことになったといいます。

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しかし、拒否されたバスもワンステップバスで、車いす乗車対応マークも車体に張ってあったため、松波さんたちは運転士を指摘しますが、運転士は「スロープの出し入れの仕方が分からない」と言ったといいます。

松波さんたちは仕方なく次のバスに乗車。講義にはぎりぎり間に合ったが、もっと早めに到着して準備をする予定だったと話します。

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ootubus-b8.at.webry.info

今回の件について松波さんは、「物理的に乗車可能(バスの車体はワンステップバスであることを確認していました)なのに、障害者本人と対話もせずに乗車を拒否し、不利益を負わせたという点で、『差別』といっていい事例だと考えます」と話しつつ、

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少なくとも7月3日12時1分のバスは車いすで乗れるバスでしたが、それでも乗せてもらえず、40分以上待たされてしまい、本来であれば早く大学に到着して行いたかった講義の準備が十分できず、ゲストの方に申し訳ない気持ちでいっぱいでした」と、悲しみと腹立たしい気持ちで、当時の状況について振り返っています。

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nikodrive.jp

またその上で「一番の問題は、バス会社が現状の不十分さ(ハード面、ソフト面)により、日常的に車いすユーザーのお客さんに不利益を強いていることを認識せず、決まった時刻のバスでだけ対応すればいいと考えていたことだと思います」と松波さんは指摘します。

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バス側への要望として「『まず乗車拒否をしない』のを原則に、車いす対応の車体を増やし、現に増えているのだからそれを時刻表に反映させること。そして運転手全員にきっちり、障害者団体の当事者講師を呼んで、研修・講習を行うこと」をあげました。

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松波さんは運転士に対し、失望感を覚えたといいます。そして、実際に乗車拒否のことを帝産湖南交通に伝え、改善を求めたそうです。

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その後、酒井さんと松波さんは、帝産湖南交通から説明と謝罪を受けたといいます。

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帝産湖南交通の担当者は、松波さんの指摘を受け、運転士の一連の言動に「間違いはない」と認めているとのことで、当時のバス状況については、

当該バスもワンステップバスだったのに、運転士が『このバスには乗れない』『スロープの出し入れの操作が分からない』と言ってしまったのは事実です。」としたうえで、「乗車済みのお客様を一旦降ろしてもう1回乗っていただくのは困難だという旨も含め、丁寧に伝えるべきでした。受け答えや説明が適切ではなかったと、お客様には謝罪させていただきました」とコメントしています。

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また、スロープの出し入れについては、「実際は当社のすべての運転士が教習を受けて習得しています」というが、今回の運転士はとっさに「分からない」と言ってしまったと話しています。

nishitetsubus-saiyo.jp

この問題を受け担当者は、運転士への周知、教育を図るとともに、今後もノンステップ・ワンステップバスの割合を増やしていくと答えました。

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