新型コロナウイルスによって今では欠かせないマスク。そんな中「葬祭では黒マスク着用」という新しい葬祭マナーが話題になっているようです。
事の発端は「8月の終わりに”通夜葬儀などの場合はマスクも黒にすること”というマナーを見かけた」という女性が投稿した内容からでした。この投稿を見た、ネットユーザーらは 「白いマスクがダメなら…男性のシャツの白はどうなんですかねぇ。」 「喪服集団が黒マスクで揃えたら謎のカルト教団みたいになるって」 「通夜葬儀など急な事態なんだから、喪服着るだけで精一杯ですよね。」 と困惑した様子を見せました。point 260 | 1
ですが、マナーサイトや葬祭関係のサイトを確認したところ、以前から「葬祭でマスクはどうするべきか？」という質問が多くあったようで、それに対しほとんどのサイトは「着用可」と回答。その上で「白黒どちらでも可」「白のほうが無難」という回答が多く見えたようです。今年6月にはモナコ公国のカロリーヌ公女らロイヤルファミリーが、黒マスクで葬儀に参列していたというニュースがありましたが、写真で確認する限り、ロイヤルファミリーの中でも白マスクを着用している人もおり、マスクの色についてマナー等は存在しないようです。point 308 | 1
「葬祭では黒マスクを付けるべき」というのは、新型コロナウイルスの影響により「公の場ではマスク着用」が風潮になっている為に、どこかのマナー業者が考えついた勝手な新マナーなのでしょう。今では「喪服＝黒」というのが一般的に知られていますが、江戸時代までには喪服は白が一般的だったといいます。明治時代からは欧米の葬祭マナーを良くも悪くも取り入れつつ、仕上がっていったのが今の日本の葬祭マナーなのです。point 257 | 1
欧米では葬祭もカジュアル化が進んでおり、現在では総裁の際に喪服を着用するのは遺族だけで、参列者の服装はモノトーンのスーツなどが多いようです。今回の「葬祭では黒マスク着用」というマナーだけではなく、よく分からないルールを作り続ける、日本のマナー業界。
ルールというのはどれが本当なのかわからなくなる時がありますね…。