2011年5月、アメリカ・イリノイ州にて、当時6歳だったティモシー・ピッツェン君と母親のエイミー・フレイ・ピッチェンさんが失踪する事件が起こりました。後に母親はイリノイ州のモーテルで遺体が発見されています。そして今年の4月に”ティモシー・ピッチェン”だと名乗る男性が保護されました。
母親の遺体とともに行方不明となった少年
先月4月3日にケンタッキー州で保護された男が、8年前にイリノイ州で行方が分からなくなっていたティモシー・ピッチェン君ではないかと話題となっています。
ティモシー・ピッチェン君（当時6歳）は2011年から行方が分からなくなっていました。家族は彼の生存を信じて、これまで手がかりを探し続けていたと言います。
事件当時の二人の足取り
2011年5月11日、エイミー・フレイ・ピッチェンさんは学校にティモシー君を迎えに行き、旅行に出発しました。2日間に渡って、様々な州を横断しながら動物園やウォーターパークで楽しい時間を過ごしたそうです。その後、二人は車で数時間走った場所にあるモーテルにチェックインしましたが、母親はその部屋の中で自殺したとみられています。
ティモシー君が最後に目撃されたのは2011年5月13日。ウィスコンシン州のウォーターパークに設置されていた監視カメラの映像でした。翌日、母親のエイミーさんの遺体がイリノイ州のモーテルで発見されています。遺体のそばには、「息子はもう安全です。しかし彼は決して見つからないでしょう。」というメモが残されていたそうです。エイミーさんの夫、ジムさんは捜索願を提出しましたが、その後、8年に渡って彼の行方は分からなくなっていました。point 266 | 1
うつ病を患っていた母親
昨年、ティモシー君の親族のカラ・ジェイコブさんは「私は彼がどこかに生きていると確信しています」と語り、「私たちが探し続けなくてはならない」とあくまで生存を信じていることを強調していました。
写真は、8年前に行方不明になったころのティモシー・ピッチェン君（左）と、現在の容姿をIT技術で推定した画像(右)
亡くなったエイミーさんはうつ病を患っており、ティモシー君の家族は結婚生活が上手くいっていなかったことを明かにしました。しかし、エイミーさんがティモシー君を傷つけたことはなかったと信じていて、エイミーさんの人柄について「彼女は優しく、周囲の人々へ思いやりを持った人でした」と語っています。
名乗る男の顔には暴行を受けた痕
この事件が未解決のまま8年がすぎた先日4月3日、自らをティモシー・ピッチェンと名乗る男が現れ、2人の男たちから逃げてきたと主張しているそうです。身元が保護されたのはケンタッキー州・ニューポート。
Woman who found teen in NKY, possibly missing for years, was acting 'fidgety'https://t.co/C0aIlUfqla pic.twitter.com/gZMgp0aJdz
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男はオハイオ州・シャーロッツビルにある駐車場でうろついており、警察に通報した女性は、少年が車に近寄ってきて「ティモシー・ピッチェン」と名乗ったと説明しています。続けて、少年は「助けて」「誘拐されていた」と話し、顔には殴られたようなあざがあったそうです。
まもなくして警察が到着し、男が事情聴取を受けていると「俺は8年前に失踪したティモシー・ピッツェンだ」と口にしたと言います。他にも「監禁されていた」「家族のもとに帰りたくない」などと話しており、捜査員たちは彼の主張を元に周辺のモーテルを捜索し、監禁したとみられる二人の男を探していました。point 201 | 1
DNA鑑定の結果、別人と判明
保護された男はしきりに14歳であると警察官に主張していたそうですが、地元警察の調べでブライアン・マイケル・リニ（23）であることが判明しました。さらに、リニは2019年3月まで強盗および器物破損の罪で服役しており、仮釈放されたばかりでした。
先日4月3日、ティモシー・ピッチェン君発見のニュースが報じられ、8年越しの生還に多くの人が喜びの声を上げていましたが、別人であることが判明し、ティモシー君の親戚、カラ・ジェイコブさんとティモシー君の祖母、アレーナ・アンデルセンさんが取材に応じました。
「もう散々です」「彼がいなくなってしまった日を再び体験したようです。ティモシーの父親は再び落ち込んでいます」と再び地獄に突き落とされた現在の心情を語りました。しかし、この一連の報道を成長したティモシー君が目にすることで、”彼自身と彼の家族に何が起きたのかを理解することができるのではないか”とわずかな希望を抱いているようです。point 232 | 1
地元警察も今回の出来事を非常に残念に思うとコメントを発表した。
「我々は今回の出来事が虚偽のものであったことを残念に思います。ティモシー君を見つけるための捜査は、解決するまで引き続き継続していきます」
さらに、その後のABCニュースの取材では、ライアン・マイケル・リニ（23）は犯行動機について「ティモシーくんの父親のようなお父さんが欲しかった。もし俺が行方不明になっても、俺の父は探すこともせずに酒ばっかり飲んでいるだろうから」と語っていたといいます。point 318 | 1