広島市教委は2023年度、市立の全小中学、高校の平和教育プログラムを見直すことを明かしたのでした。
小学3年向けの教材では、これまで使用されていた漫画「はだしのゲン」を「漫画の一部を教材としているため、被爆の実態に迫りにくい」などとして削除することに。
はだしのゲンに変わり、別の被爆者の体験を扱った内容に差し替えるとのことです。この プログラムは2013年度に開始され、道徳や国語の時間を充て、市教委が学齢に応じて作った教材「ひろしま平和ノート」を活用していました。
はだしのゲンは小学3年の学習時に登場し、被爆前後の広島でたくましく生きる少年の姿を通じて家族の絆と原爆の非人道性を伝える狙いで、家計を助けようと路上で浪曲を歌って小銭を稼いだり、栄養不足で体調を崩した身重の母親に食べさせるために池のコイを盗んだりする場面を使用しています。
これについて、教材の改訂案を検討した教授や学校長の会議で「児童の生活実態に合わない」「誤解を与える恐れがある」との指摘が出たとし、市教委も同調したそうです。その上で、漫画で家屋の下敷きになった父親がゲンに逃げるよう迫る場面も新教材には載せないとのこと。
代わりに原爆で両親と妹3人を失った綿岡智津子さんが家族写真に込めた思いを描いた絵本を取り上げるとし、ほかに、各学年向けの教材で複数箇所の掲載内容を見直すとされています。
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