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【衝撃】へその緒を切るのを3分遅らせると、運動神経が良くなる?!


へその緒が重要なのは胎児のときばかりではないことがわかっています。以前に、スウェーデンの研究チームが、新生児にとってもへその緒が重要であることを報告しましたが、その追跡調査により、へその緒を切るタイミングをわずかに遅くすることで、4歳になった時の子どもの運動神経が高まるという衝撃的な事実が報告され、世間を騒がせました。この結果では、男子の効果が特に高かったことも顕著にあらわれました。


写真:baby-calendar.jp

以前の研究において、研究チームは、400名の新生児を対象にした臨床試験で、臍帯結紮の時間を遅らせた場合の効果を検証しました。そして、通常は生後10秒以内に縛って切断するへその緒を、縛るタイミングを3分間だけ遅らせることで、生後4か月のときの貧血の割合が顕著に少なくなることを報告してました。対象になった母子は共に健康で栄養状態も良好であり、早産児は含まれていませんでした。臍帯を縛る前に3分間待つことで、母体の血液が新生児の体内に移行し続けることになります。赤ちゃんは100mlほどの余分な血液を母親から受け取りますが、これは大人の2リットル分の血液に相当するものです。point 354 | 1

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写真:mamanoko.jp

世界中のほとんどの地域では、通常へその緒は出生後すぐに結紮され切断されるのが一般的な手順になっていますが、臍帯血に含まれる鉄分を受けとり損ねてしまうため、貧血になりやすいといわれています。また、貧しい国々では、臍帯血の移行が終了する前にへその緒を縛ってしまう慣習は、小児の発育に特に深刻な影響を及ぼす可能性が高いということを研究チームは述べています。今回『JAMA小児科学』誌に発表された論文によると、上記の先行研究で対象となった新生児のうちの263名(69%)を4年後に再調査した結果が報告されています。研究対象児は、知能(IQ)テストと認知機能検査を受け、また両親にはアンケート調査が実施されました。point 366 | 1

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写真:ninsin-akachan.com

これらの調査の結果、臍帯結紮を生後直ちに(10秒以内)行った場合と、3分間待ってから行った場合では、両者の知能(IQ)に違いはみられませんでした。全体的な発育状況もまったく変わらなかったものの、認知機能検査と両親へのアンケート結果を解析した結果、3分間待って結紮した子どものほうが、4歳時における運動神経がわずかに優れていることが明らかになりました。また、男の子の場合、全般的に3分間の遅延結紮で、運動神経が向上することが明らかだったとも報告されています。これは、男児の方が生まれたときに潜在的に鉄分が足りないことが多いことが理由で、臍帯の遅延結紮の効果がより強く表れたためだろう、と研究チームは推測しています。また、生後すぐの時期から、女児は一般的に鉄分を充分に体内に保持しているが、男児は鉄欠乏症になり易いことが知られています。以上の研究から、今後世界中でさらに新しい臍帯結紮の基準として使われるようになることが期待できそうです。point 488 | 1

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