アニメ化だけでなく、実写映画化、更には宝塚での舞台化もされたのが「るろうに剣心」です。この作品を簡単に紹介すると、もともとは1994年から1999年にかけて少年漫画雑誌で連載されていた、和月伸宏さんによる漫画です。主人公、緋村剣心は、かつては正義のためにと信じ刀で人の命を奪ってきた剣豪です。しかしあることをきっかけに人の命を奪うことをためらうようになり、明治維新を機に人の命を殺めないことを決心します。そして峰と刃が逆になった逆刃刀を手に、弱きを助けるために全国を放浪していました。そんな彼が、本作のヒロインである神谷薫と言う少女と出会うことから物語はスタートします。
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「るろうに剣心」自体の連載は先にも説明した通り終了していますが、現在ではその新章の連載がスタートしています。連載終了後10年以上を経てもなお、新章の連載が開始されるほど「るろうに剣心」はファンからの支持が厚い作品だと言えるのですが、それは「るろうに剣心」が多くの魅力をはらんだ作品だからこそです。ではどんな魅力があるのかと言うと、まずはやはり主人公、剣心をはじめとした登場人物の造形にあります。物語を通じて実に様々な登場人物が本作には登場しますが、いずれも胸に熱い思いを秘めており、その思いは時には剣心のそれと対立することもあります。point 333 | 1
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その際に繰り広げられる人間ドラマと言うのも、「るろうに剣心」の魅力のひとつです。剣心の味方として活躍する相楽左之助、明神弥彦、剣心の剣の師匠として圧倒的な力を持つ比古清十郎などの存在、そのキャラクターやドラマ性は勿論ですが、弱肉強食を信条に国家の支配をもくろむ志々雄真実やその一派、剣心が人を殺めることを止めるようになった人物と深い関係にあり、それ故、剣心の前に立ちはだかる雪代縁と言った敵役も圧倒的なカリスマ性、ドラマ性を持っていると言うのも魅力のひとつです。point 297 | 1
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また「るろうに剣心」は基本はフィクションですが、実在した歴史上の人物が数多く登場する作品でもあります。たとえば新選組や大久保利通などがその一例ですから、歴史ものが好きだと言う人にとっても読みごたえがある作品であると言うのも魅力だと言えます。
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そして和月さんの、秀麗で丁寧な絵のタッチも、本作の魅力です。男性、女性、どちらのキャラクターも異性から見ても、同性から見てもかっこよく、可愛らしく描かれており、今作が性別を問わず幅広く支持されているのも、こうした和月さんの絵柄があってこそだと言えます。そして何より、剣心と薫の恋模様が全編を通じて描かれ、恋愛漫画として読むことができると言うのも本作の楽しみ方のひとつです。
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少年漫画と言うジャンルに分類できる作品ではありますが、剣心たちが繰り広げるバトル、登場人物たちが繰り広げ骨太で深いドラマ、歴史ものとしての面白さ、そして恋愛ものの胸が切なくなるような感覚、それらすべてが描かれているのが「るろうに剣心」の魅力です。