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トランプ大統領が国防省にアメリカ軍に新たに宇宙軍を創設指示?そのワケとは?


アメリカ軍に宇宙軍の創設指示?


写真:www.cnn.co.jp

ドナルド・トランプ大統領が、6月18日に開催された国家宇宙委員会の会議で国防省にアメリカ軍6番目の部門となる宇宙軍の創設を指示したことが明らかになっている。トランプ大統領は、「我々は空軍と宇宙軍という、分離すれど同等の軍を保有するものとする。重要なものになるだろう」と発言し、「分離すれど同等(separate but equal)」とは、黒人分離政策が人種差別に当たらないとしたプレッシー対ファーガソン裁判の判決からの引用である。point 280 | 1

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新たな宇宙軍の創設に大きな意欲


写真:article.auone.jp

ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、既にアメリカには空軍内にアメリカ宇宙軍という組織がある。しかし、この宇宙軍とは大きく異なり、今トランプ大統領が創設しようとしているのは、空軍に所属しない宇宙軍という新たな第6番目の軍である。彼が宇宙軍創設に向けた希望を口にしたのはこれが初めてではなく、初めてこれを提案したのは2018年3月のことだった。だがしかし、それは軍の新設に反対するジェームズ・マティス国防長官の意見と食い違うものだった。軍事委員会へ向けた書簡の中で、マティス国防長官はそのようなことをしても支出と官僚主義が増えるだけだと述べている。point 358 | 1

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組織体制を大変革


写真:www.businessinsider.jp

目下、空軍がアメリカ空軍宇宙軍の指揮下で宇宙における国家安全保障の大方を担っている。その責任には、国防省の人工衛星(ミサイル早期警戒システム、通信、ナビゲーションといったものも関連)の打ち上げの監督や管理などが含まれる。「とんでもなく複雑な変化です」とNGOセキュア・ワールド・ファンデーションのプログラム計画ディレクター、ブライアン・ウィーデン氏は話す。「おそらく数万人規模で……本当に大きな変化になるでしょう。これは軽々しく行えるものではありません」にもかかわらず、トランプ大統領は宇宙軍について繰り返した。大統領は米国の宇宙開発について、「国家のアイデンティティだけの問題ではない。それは国家安全保障の問題でもある」と述べた。「我らが軍にとって極めて重要なのに、みんなそれについて話さない」point 431 | 1

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国防省に宇宙軍設立への報告書の準備を指示


写真:www.nikkan.co.jp

その日、大統領は宇宙軍の詳しい任務については言及せず、また財源についても触れなかった。だがいかに大統領とはいえ、思いつきの発表によって一方的に新しい軍を創設することなどできない。「宇宙軍を創設するには、議会で法案を通過させねばなりません――そして実際にそれを作り、予算を充てるのです」とウィーデン氏は言う。
2018年度国防権限法ではすでに、国防省に対して宇宙軍設立に関する報告書を準備するよう指示している。同法は、国防副長官に空軍とつながりのない独立した調査組織を雇い、「国防省の国家安全保障関連宇宙活動を担う別個の軍部を設立するためのロードマップを議会に提出」するよう求めている。point 380 | 1

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宇宙軍の創設は可能?


写真:karapaia.com

宇宙軍関連の計画は50年以上前に宇宙条約によって芽を摘まれてきたのかもしれない。例えば、批准国は、地球軌道、月面その他天体上に核を設置することを認められていない。また宇宙における戦争、軍事施設、兵器実験施設も禁じられている。しかし宇宙条約は宇宙の兵器利用までは禁止していない。なにしろ地球を軌道する人工衛星は、通信、軍事的監視、兵器誘導にとっての要なのだ。もしかすると、宇宙軍の設立は可能かもしれない。だが、どんな利用法をされるのかが懸念されるところである。point 304 | 1

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