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いずれこんなことができるかも?スタップ細胞の未来


スタップ細胞はマウスの細胞を特別に作られた酸の中で培養すると様々な細胞に育てることができるというものです。発表当時は夢の新技術が誕生したと思われましたが、現在では未完成な部分が多いために実現が難しいとされています。スタップ細胞が作られれば失った臓器の機能などを蘇らせることができるので、ガンなどで失われた健康な細胞を培養することで、悪影響を抑えることができます。


写真:nelog.jp

新型の万能細胞とも呼ばれたスタップ細胞ですが、もし実現していればノーベル賞レベルの発見として世界中に賞賛されました。権威あるイギリスの科学雑誌ネイチャーにも論文が掲載されたことで、実現間近とも思われましたが、実験結果に疑問が噴出したことで、改ざんや不正があったと認定されました。

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写真:nikkei.com

もしこの細胞が誕生していれば、臓器移植のドナーを待たずに自分の細胞で内臓を作ることができるので、免疫抑制剤などを服用せずに健康な生活ができるようになりました。またがん細胞に蝕まれた部分だけを除去して、新たにスタップ細胞を移植して、自分の体を元通りにできた可能性もあります。様々な可能性を秘めた細胞でしたが、酸に浸すだけで変化をするという単純な構造だったので、発表当初から疑問をもつ学者が存在していたのも事実です。point 269 | 1

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写真:ytimg.com

病気で悩む世界中の人々に希望の光を与えた研究でしたが、現在では振り出しに戻り、新しい発見を待たなければならなくなっています。またES細胞の培養との類似点も指摘されているので、ES細胞に同じような働きを期待する動きもありましたが、実際には全く別のものなので、スタップ細胞の代わりにはなりませんでした。

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写真:gzn.jp

調査委員会では最終的な結論として改ざんや不正があったと結論づけましたが、同じような方法で実験をしている科学者も世界中に存在しているので、今回と同じ方法で新型の万能細胞を作り出す科学者が出てくるかもしれません。iPS細胞の研究が世界的に進歩し続けていて、今まで治療法が無かった難病のための薬などが臨床段階まできています。そのためスタップ細胞の誕生を願うというよりも、同様の働きができる細胞の誕生を期待する声のほうが大きくなっています。point 275 | 1

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写真:wp.com

ガンは世界中の人々を脅かす恐ろしい病気ですが、その病気と戦えるかも知れないという希望をスタップ細胞が与えたことは間違いありません。ただ残念なのは実験データがあいまいだったことです。この研究成果を信頼性という観点から見れば未完成だと判断されて然るべきです。

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