神様は動物だった?
あなたは【神】を想像したら、どんな姿を思い浮かぶでしょうか・・・?
イエス・キリストのような人の姿をした神様を思い浮かぶ人がほとんどかもしれませんね。
しかし、世界では神は木や岩、稲妻、果ては動物の姿をしていることもあるのです。
今回は神や女神と結びつけられ、神聖視される動物がを紹介します。
信者によって崇められ、当然大切にされますが、ときには残酷な方法で生贄にされることもあるのです・・・。
崇められている動物たち・・・
①ネズミ
インドのカルニマタ寺院では2万匹のネズミが神聖なものとして大事にされています。
日本ではネズミなんて、物置小屋に出るイメージで汚い感じですよね・・・。
こちらでは15世紀に、カルニマタというある信心深い女性が現われ、彼女を戦いの女神ドゥルガーの化身だと考えていました。
その土地の支配者は、ドゥルガーの力を利用して砦を作って外敵の攻撃に備え、神殿を建てて彼女の栄誉に報いたのです。
支配者の一族の子どもが死んだとき、そのドゥルガーの化身の彼女に生き返らせて欲しいと頼むと、死んだ一族の者が人間として再び生まれ変わるまで、ネズミの姿で戻ってくるとしたのです。
一族の子供のように考えられ大切にされてきた結果、現在は幸運の印と考えられています。
②ヤギ
ネパールのコカナではヤギがとても優遇されており、彼らは自由に好きなところを歩き回り、好きな場所で草を食べ暮らしています。
彼らを意図的、または偶然に傷つけたりすると、女神の呪いがかかるという言い伝えがあり、呪いはなんと死に至ることもあるそう・・・!
しかし900年続いているDeopokhari祭りではヤギに対して残酷なのです。
若いヤギを捕まえ池の中に放り込み、村の男たちが祭りを仕切る権利をめぐって競争します。
この優勝者はなんと・・・!普段、神のように扱われているヤギを素手あるいは歯で八つ裂きにし殺せる権利を得られるのです!
なんと残酷な・・・・。
③クマ
東ロシアのニヴフ族はクマを神聖な生き物として考えています。
こちらでは幼いクマを捕まえ、村の女性たちが自分の子供のように大切に育て、数年後にクマ祭りというものを開催します。
そのクマ祭りというのは、クマは儀式の衣装を着せられ、凍った川にたてられた柱へと連れていかれます。
そこに鎖でクマをつなぎ、若い男たちが弓で射る・・・権利のある者がひとり最期のとどめをさして殺すのです。
その後、クマは解体されて何週間もかけて人間の食料となります。クマの魂が神に戻り、ニヴフ族の繁栄が保証されると信じられているのです。
④ヘビ
古代ローマではグリュコーンという、ヘビの神様がいます。
そのグリュコーンの誕生話が少し面白いのです・・・。
それは神殿の基礎部分が掘られていたある夜・・・。
アレクサンダーという男がは現場に忍び込んで、ガチョウの卵の殻にヘビの子どもを入れたものを埋めて、穴を蝋で塞ぎました。
ここからは想像できるでしょうか・・(笑)聴衆の前で卵を彫り出して、グリュコーン神が産まれたとして人々を驚かせたのです。
それが現在まで神として考えられているなんて不思議ですね!
⑤ガチョウ
紀元前4世紀、ガリアがローマを攻撃して軍隊を負かし、町を略奪しました。
市民は安全のために丘へ避難しました。当然、食料の供給も乏しくなり・・・
しかし当時から、ユーノー神殿の神聖なガチョウにはきちんとエサが与えられ、決して彼らが人間の食料になることはありませんでした。
ある夜、ガリア軍が密かに市民が避難した丘に忍び込もうとしました。
人間も番犬ですら気がつかなかったのですが、ガチョウが大声で鳴き、ローマ側は敵を撃退することができて、町は無事でした。
それから、ユーノーのガチョウは町の守護者と考えられるようになったのです!
まさにガチョウの恩返し!
⑥カメ
ベトナムの伝説では、皇帝がホンキエム湖を渡っていた時、天命の宝剣をカメにとられて湖の底へ持ち去られてしまいます。
しかし、皇帝はその剣をカメの神から授かっており、この出来事をカメの神が再び現われたと受け取ったのです。
しかし、2011年ごろから水質汚染によってカメが傷つき、湖を浄化する試みが始まりました。カメは捕獲され、獣医が傷を治療したのにもかかわらず・・・2016年、このカメが死んでいるのが見つかったのです。
信者にとっても、カメそのものにとっても、悪い兆候とされました。
⑦牛
ヒンデゥー教徒の多くは牛を特別な生き物としており、神そのものだと考えています。
牛を殺すことはご法度と考えていて、もしビーフを食べた者は群衆に攻撃されてしまうほどです・・・。
ムザッファルナガルでは、最近頭蓋が変形した牛が生まれました。
もし、牛を神だと考えていない人々なら【環境汚染のせい】【奇妙だ】など考えるでしょう・・。
しかし、一部の人がそれを人間の顔に似ていると考え、仔牛をヴィシュヌ神の生まれ変わりと考える者が出たのです。
仔牛は生まれてまもなく死にましたが、奇跡の牛として多くの人々がひと目見ようと押しかけました。
仔牛が産まれたシェルターの管理者は、仔牛は火葬して寺院を建てるつもりでいるようです。
⑧ワニ
セベク神は古代エジプトの神で、ナイル川に生息していたワニと深い関わりがありました。
ナイル川の氾濫はエジプト人の生活に致命的な影響を与えたため、特にセベク神をなだめることが重要事項だったのです。
セベク神の像を奉納したり、アリシノエ(クロコディポリスのギリシャ名)の崇拝者たちは、生きているワニを恐ろしく考えました。
クロコディポリスのセベク神殿には、ペトスコスという神聖なワニが飼われていました。
神殿の司祭たちは、飼いならされたこの神聖な生き物に直接手でエサを与えており、そのエサというのが・・。
ケーキ、肉、ハチミツやミルクだったそう・・・。
ペトスコスが死ぬと、ミイラにされ、贅沢に埋葬され、そしてまたべつのペトスコスがその後釜に選ばれたのです。
⑨牛
エジプトのパンテオンというのは、さまざまな動物の頭をもつ動物神に事欠かない存在で、アピス神はまるで雄牛の姿そのものですがまさに神。
アピス神は永遠と宇宙的な安定を象徴します。そのため、未来永劫を考えるエジプト文明にとってますます重要になったのです。
ですが雄牛は永遠に生きることは不可能ですよね?
雄牛のアピスが死ぬと、その体はミイラにされて、盛大な儀式を行って埋葬します。
次のアピスになる雄牛はなんと目印があるといいます。
その目印が体は黒く、額に白いダイヤモンド、背中にワシの印があるというのです。舌の下にはスカラベのようなマークがあり、尾は毛でふさふさしているとのこと・・。
珍しいですね・・・。
まとめ
どうでしたでしょうか?
私たちが街中や動物園で見る動物があんな国やこんな国では神様的存在なんですね~。不思議です。