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あの有名作品になぞらえた症状「不思議の国のアリス症候群」


不思議の国のアリスは世界的に非常に有名な作品なので、ご存知の方も多いかと思います。物語の作中でアリスは自分の身体が大きくなったり小さくなったりする事で、相対的に周囲の物のサイズが変化するという経験をしました。実は、現実でもそういった症状に悩まされている方がいらっしゃる事をご存知でしょうか。

 

不思議の国のアリス症候群ってどんな症状?


写真 thewasherwoman.blogspot.com

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その症状は「不思議の国のアリス症候群」と呼ばれ、1955年にイギリスの精神科医ジョン・トッドにより命名されました。当人の周囲に存在する物のサイズが様々に変化しているように見えてしまい、作中のアリスと同様にまるで自分の身体が大きくなったり小さくなったりしているような感覚に襲われるというものです。例えば、小さな虫が自分の顔よりも大きく見えたり(大視症)、自分より背の高い人が自分より小さく見えたり(小視症)、物の形が歪んで見えたり(変視症)するようです。また物だけではなく、時間の進み方が実際よりも速く感じたり遅く感じたりする等、常識では考えられないような非常に不思議な現象が当人の中では起こっているようです。point 304 | 1

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不思議のアリス症候群の原因って?治療法はあるの?


写真 brainblogger.com

残念ながら、現段階では不思議の国のアリス症候群の発症原因は判明しておらず、未だ有効な治療方法も確立されていません。ただ、視覚機能に異常があるというわけではなく、脳の広い範囲が関わっているのではないかと考えられています。そのせいかどうかは分かりませんが、不思議の国のアリス症候群を発症された方には、偏頭痛を持っているケースが多いという話です。また、幼児にも発症が多い不思議の国のアリス症候群ですが、その場合はEB(エプスタイン・バー)ウイルス感染症による中枢神経の炎症によるもので、一過性である事がほとんどであるようです。point 359 | 1

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実は本人も悩まされていた?アリスの製作エピソード


写真 news.softpedia.com

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実は作者であるルイス・キャロルも不思議の国のアリス症候群であったという話があり、そこから不思議の国のアリスの物語の着想を得たのではないかという話があります。それがもし本当だったとしたら、一体何がきっかけで名作が生まれるか分かりませんね。他にも、芥川龍之介や樋口一葉も不思議の国のアリス症候群だったのではないかと推測されています。

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写真 picbear.linkpc.net

有名な作品からネーミングされた不思議の国のアリス症候群。名前は非常にロマンチックですが、実際の症状に悩まされてる方にとっては非常に深刻な問題だと思います。一過性のものであれば特に問題はないかと思うのですが、あまりに長引く場合はお医者さんに診てもらった方が良いのかもしれません。そう遠くない未来に、不思議の国のアリス症候群の原因究明と有効な治療法が確立される事を願っています。

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