多くの人々は、自分の人生を振り返りながら「最悪の時=どん底」と「最も幸せな時=ピーク」について度々考えます。
もちろん、その理由は人によって違うでしょう。
では、科学的に見る「人生のピーク」とはいつでしょうか?このピークは、分野によって時期が違うとされています。
科学者や心理学者たちは、人間が一生の中でいつピークを迎えるのかについて長年研究してきました。
以下は、科学の力で明らかになった私たちの「人生のピーク:15の瞬間」です。
Contents
7~8歳…第2外国語習得のピーク
言語学者そして児童心理学者によると、第2言語の習得は思春期が来る前の「幼稚園から小学1~2年生までの時期」が最も速く安定的だといいます。
また、この時身につけた発音は30~40年経っても維持されるといます。
18歳…脳の発達のピーク
認知科学者たちは、一般的に「SDCテスト(Symple Digit Coding)」という脳の発達能力の実験方法を使います。
このテストは、上下16個の数字と記号を与え、空白欄に対になる数字や記号を書かせるというもの。
昨年発表された研究結果(SAGEジャーナル)によると、18歳の若者が、平均的に最も高いスコアを出したそうです。
まさに「少年老い易く学成り難し」という諺のように記憶力と処理力は18歳をピークに下がっていきます。
22歳-(1)…記憶力のピーク
30代40代になるとついさっきまで会っていた人の名前すら思い出せないことも増えてきます。
2010年に「ScienceDirect」が発表した研究結果によると、名前を覚える能力は22歳でピークアウトするのだとか。
【ベイカー/ベイカー・パラドックス】
これは記憶力実験の中で最も有名な例ですが、ある人物の写真を見せて「ベイカー(パン職人)」と教えた場合、被験者の多くは職業名は記憶できてもベイカーさんのように名前になると覚えられなくなるという現象が起こります。
まさに、このような現象が起こり始めるのが23歳以降ということになります。
22歳-(2)…女性の美しさのピーク
OKCupidの共同創設者クリスチャン・ラダーが書いた「Dataclysm」という本の中で、自身のデートアプリを介して収集したデータから
「男性は年齢に関係なく継続的に20代の女性を美しいと思う一方、女性は自分より1,2歳年上の男性を好むという結果が出たことを明らかにしました。
もちろん女性も40代を過ぎたあたりから、自分より1,2歳下の年下男性に目が行きやすくなる傾向があると言っています。
25歳…筋力のピーク
私たちの体は25歳が筋肉の発達のピークであるとされています。
その後10~15年の間は筋肉量が低下することなく筋力も持続すると言われています。
27歳…速く長く走れるピーク
50年のマラソンの歴史を分析してきた「TechInsider」は最近になってマラソンランナーの年齢別の成績を比較してみたところ、27歳がピークだったとしました。
一般的に「走る速さ」だけを比較した場合には20代前半が最も速いという結果が出るものの、先ほど書いたように筋肉量のピークである25歳を過ぎると「速く・長く」走れるようになるのだとか。
28~32歳…熱い恋ができるピーク
一般的には、26歳以降に生涯を共にするパートナーに出会う可能性が高いとされており、彼らの恋は28歳~32歳までがピークだという研究結果が昨年7月、ユタ大学のニコラス・ウルフィンガー教授によって発表されました。
ニコラス教授によると、実際に28~32歳の間で結婚したカップルがOECD国家の中で最も低い離婚率を叩き出したそう。
30歳…骨強度のピーク
30歳以降はビタミンDとカルシウムを長期的に摂取することで骨の強度を維持することが出来るものの、時間が経つにつれ弱くなっていくのは仕方がない事なのだとか。
骨粗鬆症の原因は明らかになったものの、予防方法は確立されておらず、私たちにできる唯一の予防はカルシウムの摂取と定期的な運動しか無いようです。
32歳…知的能力のピーク
Googleの科学者たちは年齢別の身体能力と知的能力の関連性を研究するため、プロのチェス・グランドマスターたちのキャリアを分析しました。
その結果、最も良い成績と結果を出した年齢が32歳だったとのこと。
2016年、Googleが開発した人工知能「アルパゴ」と韓国のプロ囲碁棋士が5時間にも及ぶ接戦を繰り広げた末、3勝1敗でアルパゴの勝利となったニュースは人工知能の凄さを再確認する良い機会になりました。
また、囲碁棋士が32歳であったことから、人口知能が人間の知的能力のピークを越えたと話題になりましたね。
40~50代…共感する能力のピーク
イギリス、ケンブリッジ大学の心理学者たちは各年代別に1万人以上の被験者を集め、人の目の写真を見せながら、目の主人がどんな感情なのか当てるクイズを実施しました。
この実験で40代と50代の参加者が最も正確に相手の感情を読み取ったといいます。
若いうちは瞬発力・柔軟性に富み情報処理能力が高いものの、持続的な集中力は40歳を過ぎてからの方が秀でてくるといいます。
40半ば~50半ば…年収(収入)の伸びのピーク
もちろん職種や勤務時間、住む地域によって年収は大きく変わってきますが、世界最大HPメーカーである「Payscale」によると、女性は39歳が最も年収が高く、男性は48~49歳が最も年収が高いとのこと。
日本は年功序列制という事もあり、入社後少しづつではありながらも確実に収入が増えていくシステムになっています。
そのため、50代が最も年収が高くなるざるを得ないため、Payscaleの発表内容とは少しズレが生じるようです。
50歳…計算能力のピーク
私たちは「計算能力」と聞くと、暗算や単純計算であれば学生時代が最も秀でているのではないか?と考えがちです。
しかし、このような予想とは裏腹に「Psychological Cience」の研究結果によると計算能力のピークは50歳だといいます。
50歳は計算能力だけでなく、一般情報を習得し理解する能力もピークを迎えるのだとか!
そう考えると、50歳になるのが楽しみになってきますね^^
65~69歳…生活に対する満足度のピーク
ドイツやスイスなどでは、生活満足度のピークが23歳という結果がでるなど例外があるものの
OECD国家の平均を見ると、65~69歳の間が最も高い満足度を示しています。
みなさんの考える「生活満足度」とは何ですか?
お金でしょうか?食事でしょうか?健康でしょうか?
65歳~69歳の高齢者の皆さんは何を基準に生活満足度を選んだのか気になりますね^^
60代前半~70代前半…語彙力のピーク
引退する頃になって、ようやく開花する能力こそ語彙力なんです!
流行語や新造語に疎いおじいちゃんおばあちゃんも語彙力は70歳まで伸び続けるとのこと。
定年退職後、外国語の習得に精を出す高齢者を多く見ますが、全て理由があったようです!
