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虚偽診断書で問題になった京都府立医大のその後は…


京都府立医大と言えば、公立の医科大学病院として多くの府民から信頼を集める大病院として知られていました。しかし、そんな大病院にとんでもないスキャンダルが発覚します。何と、暴力団の組長のために虚偽の診断書を作成し、その組長が収監されないように画策したというのです。本当ならとんでもないことですが、そもそもどういった事件だったのか、現在の京都府立医大はどうなっているのか、事件の詳細とともに見ていきましょう。

写真:saijuken.com

◼︎京都府立医大のスキャンダルとは

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写真:sankei.com

事件の発端となったのは、暴力団の組長だった高山という人物が2013年に恐喝の罪などで起訴され、京都地裁から8年という懲役刑を受けたことです。もちろん罪を犯したならしかるべき場所に収監され、刑に服するべきです。これは例え権力を持つ人でも一般の人でも変わらず、誰もが下された刑にはすぐに従わなければなりません。しかし、この暴力団組長は腎臓を悪くしており、2014年に腎臓移植手術を受けることになってしまいます。その手術を行ったのが京都府立医大病院で、当時の院長や担当医などは組長が移植や腎炎などの影響で収監に耐えられない体調だと書類を作成しました。恐喝罪の裁判は高等裁判所まで続いており、2015年には京都地裁が下した8年の懲役刑が高裁で確定されました。本来であれば、この段階で組長は収監されなければならないのですが、京都府立医大が作成した書類によって体調が考慮され、体調が落ち着くまで収監が見送られることになったのです。ここで問題となったのが、組長が収監に耐えられないほど体調が悪いというのは本当なのかということです。実は院長と組長は友人同士であることが分かっており、組長の収監を防ぐためにウソの診断書を偽造していたのではないかと見られているのです。同じ容疑で民間の大病院も警察の捜索を受けており、京都府立医大も同じく捜査を受けることになりました。point 586 | 1

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写真:kpum-urology.com

◼︎スキャンダルのその後は?

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写真:f.kpu-m.ac.jp

罪を犯せば収監されるというのは当然のことで、友人だからと言ってウソの診断書を偽造し、悪くもない体調を悪いと見せかけるのはとんでもないことです。これでは真面目に生きている人が馬鹿を見ることになってしまいますし、恐喝されていた被害者も気が気ではありませんよね。京都府立医大の場合は公立病院だったため、診断書と言えどもウソを書けば公文書偽造の罪に当たります。カルテを改ざんしたのではとも見られており、公立病院としての役割を忘れていると非難が殺到しました。この騒動により、京都府立医大の学長が辞職勧告をされたり、院長の自宅まで警察に捜索を受けるなど組織のトップを巻き込んで泥沼の事態にまで発展しています。院長と担当医師だった男性は2017年に書類送検されていますが、肝心の組長の収監がどうなったのかハッキリしていません。ちなみに、京都府立医大で手術を受ける前にかかっていた武田病院という民間病院では、同じような容疑で担当医が逮捕されています。武田病院の場合、組長側から100万円の謝礼と考えられるお金や商品券を受け取っていたことが分かっているので、虚偽の診断書を作ったということを言い逃れられなかったようですね。京都府立医大の場合は書類送検となっているので、金銭の授受は無かったということなのでしょう。point 563 | 1

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写真:sankei.com

◼︎まとめ

友人であれ組長であれ、刑が確定したのならウソの診断などせず真っ当な裁きを受けさせるべきなのは言うまでもありません。でも、現実的に考えれば暴力団からそんな依頼を受ければ、自分や家族の身の安全のためにもつい従ってしまう可能性もありますよね。もちろんダメなことだし警察に相談すれば良かったのでしょうが、そう理想通りにはいかないことも多いです。友人だった院長はともかく、巻き込まれただけの担当医は可哀想でなりませんね。point 273 | 1

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