7月15日、札幌市の中央区で安倍晋三首相が参院選応援のため街頭演説した際、「安倍辞めろ」などとヤジを飛ばした男女数人が、北海道警に取り押さえられ現場から排除していたことについて「過剰警備だと感じる」と専門家から非難されています。しかし、道警警備部は「トラブルを未然防止するためで対応は適正」と説明しています。
安倍首相は同日午後4時半ごろ、JR札幌駅前で選挙カーに登壇し、参院選の自民党候補の応援演説をおこなっていました。「安倍総理を支持します」と書かれたプラカードを掲げる支持者らの前で演説している安倍首相に対し、数十メートル離れた場所から「安倍辞めろ」と繰り返し主張する若い男性の姿がありました。すると、警備していた制服姿の警察官数人が男性を取り囲み、後方に引き離します。さらに、「増税反対」などと叫んだ女性も、私服姿の警察官数人に囲まれてもみ合いとなり、排除されました。point 301 | 1
また、場所を変えて安倍首相が市内の繁華街で選挙カーの上から演説した際には、中高年の男性が「安倍帰れ」などの叫びに、周囲の支持者らが「おまえこそ帰れ」と叫び返すなど一触即発の雰囲気でしたが、警察官は静観していました。そこで、道警警備部は排除した男女について「聴衆とのトラブルが懸念され、移動するよう声を掛けたが応じなかった」と説明しており、「移動を促したのは公選法違反を念頭に置いたものではない。ヤジを飛ばしただけで排除したわけではない」としています。また、男性らの行動が公職選挙法違反（選挙の自由妨害）にあたるかどうかについては確認中としています。point 328 | 1
今回の警備基準について、札幌弁護士会の猪野亨弁護士は「聴衆の言動は良識の範囲で自由であり、強制的に排除するには相応の根拠が必要だ。今回は聴衆がつかみかかるような衝突しそうな雰囲気があるといった理由は見当たらず、過剰警備と感じる」と指摘しています。道警は６月の同党道連定期大会でも、記者の移動を必要以上に制限するなど、過剰な警備が目立つと非難されていました。point 239 | 1
このニュースについて、ネット上では様々な意見が上がっています。「良識の範囲で自由、と言うけど、その良識が千差万別。国会中継を見てても、良識とは言えない行動が散見される。」「ヤジを飛ばす方も支持のプラカードを掲げる方も一般人からしたら引くと思う。」
「選挙なのだから投票しなければいい話であって、話を聞く人の邪魔をする権利はないはず。」「言論の自由は大事なことだけど、街頭演説を聞き、誰に投票するかを考えるのも、国民には大事な権利です。演説を邪魔するのは、その考える機会を奪われてしまってる、民主主義じゃない。」などと、演説中にヤジを飛ばした男女に対し非難する声が多く上がっているようです。point 233 | 1