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安倍首相の答弁動画が編集され大拡散!「富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策」


安倍首相が「富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策」と答弁した、という内容のタイトルと字幕がついた動画が、先日行われた参院選を前に大拡散するという事態が起こっていました。

その動画再生回数は740万回を超えていたのですが、結論から言うと、この動画は共産党の小池晃書記局長と安倍晋三首相のやりとりを切り取った動画で、大きく編集されていて、内容としては誤りだったことが明らかになっています。

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動画のもととなったのは、6月10日の国会論戦でした。

動画には「安倍首相『富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策』」というタイトルがつけられているのですが、動画のやりとりを見ると、共産党の小池晃書記局長が、年金財源として大企業に中小企業なみの法人税負担を求め、所得税の最高税率をあげるべきだと提案。そして次の瞬間、安倍首相が「それはまったく馬鹿げた政策」と一蹴しているというものです。

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togetter.com

しかし、この日の参議院決算委員会の議事録(この記事の末尾に関係部分を全文掲載)をみると、この2人の発言の間には省略されている部分があり、動画が編集されていることがわかります。

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時事通信

議事録では、安倍首相はまず、年金財源として大企業や富裕層への増税を行うという小池書記局長の提案に対し、否定的な発言を繰り返していました。

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また、年金の増減幅を物価や賃金上昇率などで変えるマクロ経済スライドを「やめるべき」という提案への回答に移った際、

「それをやめてしまうというのは極めて無責任であり、また、将来世代の皆さんにとってこれは不安をかき立てるものになるわけでありまして、それは全く馬鹿げたこれは政策なんだろうと、こう言わざるを得ない。間違った政策だと思いますよ、それは」

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と述べていました。

seijichishin.com

また、6月19日の党首討論では、共産党の志位和夫委員長は、「先日の参院決算委員会で、我が党の小池晃議員がマクロ経済スライドはやめるべきだと求めたのに対し、総理は、年金は給付と負担のバランスで成り立っている、やめてしまうというのは無責任で馬鹿げた政策と言いました」

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「しかし、今でさえ老後の生活を支えられない貧しい年金を、マクロ経済スライドを続けて更に貧しい年金にしてしまうことこそ、私は無責任で馬鹿げた政策と言わなければなりません」と発言。

point 88 |
huffingtonpost.point 153 |
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jp

この発言の一方で、安倍首相は「共産党の主張は、マクロ経済スライドを廃止して、その上で、なおかつ将来の受給者の給付が減らないようにする上においては、これは7兆円の財源が必要でございます。皆さんはその財源がある、こうおっしゃっています。7兆円というのは巨大な財源であります。巨大な財源があるというのは、これはかつて聞いたことがあるような話でございますが、それはそう簡単には出てこないわけでございます」、「マクロ経済スライドをやめてしまうという考え方は、もう一度申し上げますが、これは馬鹿げた案だと思います」と言及。point 257 | 1

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こうしたやりとりから、動画にある「馬鹿げた政策」という首相の言葉は、「マクロ経済スライドをやめるべき」という提案に対して掛かっていると読み取るのが自然だといえます。

そのため、動画にある「富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策」というタイトルは極めて嘘の発言となり、誤りであると判断できるでしょう。

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webronza.asahi.com

しかし、この動画は6月10日にTwitterにアップされると、大拡散される事態に発展。

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参院選が近づいた7月には、まとめサイト「情報速報ドットコム」や共産党の公式アカウントなどが改めて動画を複数回にわたって紹介したことで、再び広がりを見せました。

また、「安倍首相が富裕層への増税は馬鹿げた政策だと言っている」という言説も同時に広がり、拡散することとなり、事態は大きくなったというのです。

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該当する動画の再生数は720万回数を超えているとのことですが、編集された動画だったとはいえ、世間を怒らせたことは間違いなかったでしょう…..

 

 

 

 

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